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はじまり

夏休みに入り、早速呼び出された。もちろん、鵜飼に。

 鵜飼とはちょっとしたきっかけで、一緒に行動するようになった。榎本に手を出さないというのが条件だが、それはしっかりと守っている。それもそのはずだ。榎本はあの日以降、学校に来ていないからだ。

「おーい、コッチだコッチ」鵜飼が手を振って呼んでいる方へ向かった。

 鵜飼の後についていき、たどり着いたのは、人は寄り付かないであろう廃ビルだ。窓ガラスはほとんど割れている。腐った手すりに触れながら、ぼろぼろになった階段を上がると、大広間に着いた。

中央に人が集まっている。大体二十人くらい。皆、目つきは非常に悪い。少なくとも、歓迎はしていない。

「あいつら、俺らよりも年上なんだ。で、お前のことすごく気になっているらしい」鵜飼が耳元で話しかけてきた。

「気になってる?」

「そう。いい意味でも、悪い意味でも」

「きっと、いい意味では思ってないかもな」

 二十人の大半は、少しでも触れたら串刺しになるくらい、殺気立っている。俺はどうやら、安全にこの場を立ち去れないらしい。

「おい、お前、コッチ来い」

 集団の中の誰が言ったか分からないが、とにかく呼ばれた。仕方なく、中央の方へと歩いていく。集団の視線が俺に集まっているのが分かる。国民的アイドルでもなければ、ファッションショーでもないのだ。いい気分ではない。

「俺は、このエリアのトップやってんだ。ついでに、お前の学校のOBなんだぜ」集団の一番奥には三人位座れるソファがあった。そこに座っている男が言ったのかもしれない。そいつの両脇には、胸元の空いた服を着た女の子がいる。

「⁉」

 集団に囲まれたと気づいた時にはもう目の前に木刀が迫っていた。


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