表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/42

体育館裏の出来事

朝になり、俺は榎本が後ろから来るのではないかと思い、身構えていた。だが、榎本は来なかった。時間が経つのは早く、もう放課後になっている。今日一日、榎本の姿を見ることは無かったな。そう思い、帰宅の準備を始める。

いつからだろうか、俺のそばに榎本がいるのは。今まで、一人で学生生活していたではないか。

教室を出ると目の前に誰かがいた。「ついて来い」


仕方なくそいつの後についていくと、体育館の裏に着いた。

ああ、そういうことか。

目の前には、アザだらけの榎本が倒れていた。近くには鵜飼が座っている。

「あーあ、カラス君が俺と組まないから、大事な大事なお友達がアザだらけになっちゃった」鵜飼は俺の方に歩いてきた。

「ちなみに、ヤったのは俺じゃないよ。あいつらだよ」

指を指した方に視線をやると、息を切らした男がいた。鵜飼の言っていることは合っている。彼らの拳は赤くなっているのに対し、鵜飼のは綺麗なままだった。

鵜飼は自ら手を汚さない奴なんだな。

俺は息を切らしている二人の方へと向かった。そして、拳を二回振って相手を沈めた。二人いるから振った回数は二回になった。

「ホントにお前スゴイな」

後ろで鵜飼が手を叩いて笑っていた。

「何故、榎本を…」

「え?こうでもしないと、カラス君振り向いてくれないでしょ」鵜飼が腕を肩にまわしてきた。鵜飼の不敵な笑みが視界に入る。

「俺と組んでくれないと、次に〝不慮の事故〟起こすのは、キミのお友達になっちゃうよ」

少し考えた。元々、俺は一人でやってきた。いわゆる一匹狼だ。ある日突然、俺の前に現れたのは小学校から同じだという榎本だ。榎本が傷付けられて、頭に来たことは認める。だが、いてもいなくても変わらない。また元に戻るだけだ。

「俺と組んだら、榎本には手を出さないんだな」この言葉が出たのは自分でも驚いた。

ピクリと榎本の体が反応した気がする。

「なんと。ああ、約束するよ。あいつが仕掛けない限り、こっちからは手を出さないことにしよう」

「どういうことだ」

「いや、なんでもない。とにかく、今日からお友達だな」

アザだらけの榎本と、その横で腹を抱えた二人の男を無視して、俺と鵜飼は、その場を立ち去った。この後、榎本がどうなったのかは知らない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ