夢から覚めて
目が開いた。頭が回転をし始めた。俺の顔をチワワが舐めていた。
「あぁ、ごめんなさい」チワワの飼い主が謝ってきた。
チワワは赤い首輪をして、ダウンジャケットのようなものも羽織っている。
「贅沢だな」
「何か言いました?」
「いや、何でもない」
冬の寒い日にもかかわらず、公園の噴水の縁に座って寝ていたようだった。夢が長く感じたが、公園の時計はまだ十三時の少し前だった。
依頼され、父親の敵を討ち、鵜飼と別れ、ラーメンを食べて、公園で寝ていた。まだテレビの電源を入れれば、マイクを片手にサングラスを掛けた人がいるというのに、今日一日がものすごく長く感じた。
公園を出て、目的もなくふらふらと歩く。目の前に、挙動不審な男がいた。何かに怯えているように見える。路地裏のネコに驚いていた。
今、あの男にナイフを向けただけで倒れそうだな。と、思った。だからと言って、向けるつもりは全くない。
そういえば、と、思い出した。あの時拾った名刺を取り出した。
『朧月事務所 所長 朧月潤』
ここに行けば、何か分かるかもしれない………あれ?
何かって、何だ?
俺は何を知りたいんだ?
自問をする。自答はしない。自分自身、何を考えているのか分からない。狂ってる。自分そう思い、可笑しく感じた。
とりあえず〝朧月事務所〟に行くことにしよう。そう思った時だった…。
「烏山君?」




