追憶~その3~
そんなの知るかよと、手下一号は俺の質問を一蹴した。でも、お前ならその世界でもヤっていけると思うぜ。と残し、その場を立ち去った。
〝team crow〟が大都市を代表とする連合を壊滅させ、名実ともにトップに君臨した頃。〝team crow〟は解散することになった。
「烏山、お前のおかげで、本当のトップに君臨できたよ」
「周りは敵しかいなくなったけどな」これが解散の原因の一つでもある。
「まあ、もともと、信用とかなかったし…」
手下一号の手下たちは、トップに近づくにつれ、徐々に姿を消していった。「もう、やっていけない」とか「そこまで、やりたくない」とか。中には、他の群れのスパイもどきもいたりした。巨大連合との戦闘後には〝team crow〟のメンバーは手下一号とその手下数人と少しの女と俺しかいなかった。
「格好よく言うと、俺たちの時代は終わったんだ」手下一号がそう言って、〝team crow〟は解散した。
俺は居場所がなくなった今、別の世界に行くいい機会だと思った。
俺は元巨大連合の総長に話をつけ、そのパイプを通り、その世界の住人になった。
ひとりでいる理由は簡単だ。経験上、人は裏切る。それだけだ。
椿原を駆除するあたりから、俺は自分のことを〝スイーパー〟と名乗ることにした。単なる殺し屋だと、父親を撃った男と被るからだ。さらに、手下一号が言った「命を簡単に消せる」が頭に引っかかっていたのもある。
この世界に入って分かったことがある。今までいた安全な世界でも、その水面下では汚い奴がいる。醜い害虫ではないと装いつつも、振り返れば、汚いことをしていたりする。ムカつく奴がいれば、殺し屋に依頼する奴もいた。こういう奴らに限って、安全な世界の舵を切っていたりする。
だから、俺は………。




