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ナイフ

 ビルとビルの間の薄暗く狭い通路。狭い通路をさらに狭くするゴミの山。ココで何が起こっても、誰も気が付かないだろう。


「そいつの父親は春に駆除した。今回はその息子だ」車内での話を思い出す。

 そのとき見た書類で俺は、あの時の思い出が湧き出てくる。あれはもう七年くらい前になるのだろうか。

 ちょうどその時ぐらいから、俺は拳を振り始めた。最初はただのケンカにすぎなかった。

 そして今日から、俺は…。

「あと、そこのグローブボックスを開けてみろ」車内での話をまた思い出す。

 助手席の目の前にあるレバーを引き、戸を開ける。その中から、折りたたみ式のナイフを取り出した。グリップを上下に上げると、刀身が顔を出した。

「それを貸してやる。素手じゃ無理だろ」


 ジャケットのポケットに手を入れる。畳んだナイフを握った拳が湿っている。

 緊張しているのか。

 恐怖を感じているのか。

 どちらにしろ、今、俺の前に、言葉にできない〝何か〟が存在している。

「まったく。こんなところに呼び出したのはキミか?」

 薄暗い通路を曲がり、ビルに囲まれた、ちょうど行き止まりになるところに、その息子は、いた。

「薬がほしいのかい?お金がほしいのかい?それとも女かい?」

その息子は、振り向き、俺の顔を見て、目を丸くした。

「か、烏山君…」


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