表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/42

体育館裏の告白

夏休みが終わり、教室に入ると、席がまた一つ空いていた。案の定、耳を澄ますと聞こえてきた。

「ねぇ、動画見た?」「見た、見た」「あれ、萩原君だよね」「あれ、鵜飼がやったって絶対」「なんで、脱いでたんだろ」「ちょっと、ウケるね」

 分かったことがいくつかあった。動画の中でたかられていたのは、うちのクラスの萩原だということ。それと、鵜飼がやったことになっているということ。さらに、服を脱がされているのはウケるということ。もうひとつ言うと、みんなが動画を見ているということ。

 空いた席は萩原のだ。俺はその席を眺めていた。榎本の席も空いたままだ。ちなみに、椿原の席にある花は枯れている。


 鵜飼の言っていた通り、次から次へと、俺のところに集団がやってきた。集団で来るからタチが悪い。とりあえず、来る者拒まず倒した。

「ねえ、ねえ」女の子が話しかけてきた。またか。

「烏山君だよね。わたし、柊だけど分かる?」

「分からない」

「そっかー、ちょっとショック」

 どうやら、同じ学校の生徒らしく、集団のメンバーでもないようだ。目の前にいる、柊が笑いながら傷ついた動作をした。残念ながら、今までこのクラスにいたのかすら、分からなかった。

「放課後になったら、体育館の裏に来て。お願いね」そう言って、柊はどこかに行った。同じクラスの子ではなかったようだ。

 体育館の裏とは…。少し考えた。変な期待はあったが、すぐ消した。榎本の姿を思い出す。今、どうしているのだろうか。


 放課後、俺は体育館の裏に行くことにした。やはり、期待してしまう。

 体育館の裏に着くと、柊がうずくまっていた。体を小刻みに震わせている。何かに怯えているのだろうか。

 急いで駆け寄ると、シャツは半分脱がされて、スカートも捲り上げられていた。

「どうした?」見てわかるが、とりあえず聞いた。

「………」

 柊のすすり泣く音しか聞こえない。

「もしかして、鵜飼達にヤられたのか?」

「………」

 柊は喋らないが、うなずいたのは確認できた。

 柊の姿を見ると、俺も少し興奮してしまう。それもそのはずだ。普段の柊は、軽く巻いたロングの髪型が、上品なお姫様のように見える。だが今は、上品さを残したまま髪は乱れ、捲り上げられたスカートから色気のあるパンツが覗いてる。

「たすけて」

 小さな声だがはっきりと聞こえた。朝見た動作を思い出し、今目の前にいる柊は別人に思えた。

「烏山君、たすけて」

 乱れた髪のまま、脱がされたシャツのまま、スカートからパンツが覗いてるまま、柊は俺にしがみついてきた。柊の顔を見るが、頬には涙の跡が確認できた。潤んだ目が見つめてくる。

 その時だ。後ろから、足音が聞こえた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ