体育館裏の告白
夏休みが終わり、教室に入ると、席がまた一つ空いていた。案の定、耳を澄ますと聞こえてきた。
「ねぇ、動画見た?」「見た、見た」「あれ、萩原君だよね」「あれ、鵜飼がやったって絶対」「なんで、脱いでたんだろ」「ちょっと、ウケるね」
分かったことがいくつかあった。動画の中でたかられていたのは、うちのクラスの萩原だということ。それと、鵜飼がやったことになっているということ。さらに、服を脱がされているのはウケるということ。もうひとつ言うと、みんなが動画を見ているということ。
空いた席は萩原のだ。俺はその席を眺めていた。榎本の席も空いたままだ。ちなみに、椿原の席にある花は枯れている。
鵜飼の言っていた通り、次から次へと、俺のところに集団がやってきた。集団で来るからタチが悪い。とりあえず、来る者拒まず倒した。
「ねえ、ねえ」女の子が話しかけてきた。またか。
「烏山君だよね。わたし、柊だけど分かる?」
「分からない」
「そっかー、ちょっとショック」
どうやら、同じ学校の生徒らしく、集団のメンバーでもないようだ。目の前にいる、柊が笑いながら傷ついた動作をした。残念ながら、今までこのクラスにいたのかすら、分からなかった。
「放課後になったら、体育館の裏に来て。お願いね」そう言って、柊はどこかに行った。同じクラスの子ではなかったようだ。
体育館の裏とは…。少し考えた。変な期待はあったが、すぐ消した。榎本の姿を思い出す。今、どうしているのだろうか。
放課後、俺は体育館の裏に行くことにした。やはり、期待してしまう。
体育館の裏に着くと、柊がうずくまっていた。体を小刻みに震わせている。何かに怯えているのだろうか。
急いで駆け寄ると、シャツは半分脱がされて、スカートも捲り上げられていた。
「どうした?」見てわかるが、とりあえず聞いた。
「………」
柊のすすり泣く音しか聞こえない。
「もしかして、鵜飼達にヤられたのか?」
「………」
柊は喋らないが、うなずいたのは確認できた。
柊の姿を見ると、俺も少し興奮してしまう。それもそのはずだ。普段の柊は、軽く巻いたロングの髪型が、上品なお姫様のように見える。だが今は、上品さを残したまま髪は乱れ、捲り上げられたスカートから色気のあるパンツが覗いてる。
「たすけて」
小さな声だがはっきりと聞こえた。朝見た動作を思い出し、今目の前にいる柊は別人に思えた。
「烏山君、たすけて」
乱れた髪のまま、脱がされたシャツのまま、スカートからパンツが覗いてるまま、柊は俺にしがみついてきた。柊の顔を見るが、頬には涙の跡が確認できた。潤んだ目が見つめてくる。
その時だ。後ろから、足音が聞こえた。




