第四話 涙
梓は私を迎えに来てくれた。
私はこんなにも弱くて情けないのに…何で
何で…。
梓はこんなにも優しいの?
そっか、私はそんな優しい梓に甘えてたんだ。
甘えてばっかで、時には傷つけて。
私、あんまり梓に傷つけられたことないな。
こんなに、優しいから?
梓は私のこと本当はキモいとか、
うざいとか、ぶりっことか
そんな風に思っていたりするのだろうか?
梓のほんとの気持ち…。
考えるだけで涙が瞳にたまってきた
「由衣?」
梓は私の顔を心配そうに除き混む。
「えっ。…………?」
たまっていた涙がタイミング悪く
転げ落ちてしまった。
『空気読んでほしいな……。』
私は自分の涙に怒りを込めていた。
「何で?どうしたの?由衣?」
「………。梓は、……『私のことどう思ってるのかなー?』って考えてたんだ………。」
「どうって…。親友なんだから。大好きに決まってるじゃん!?私は由衣が大好きだよ」
そうやって言ってくれた梓の声は、今までに聞いたことの無いような優しい声だった。
そして梓は優しく涙を流し、優しく私を抱き締めた
「大好き…好きだよ由衣!?」
ボロボロと梓の瞳から出てくる涙がすごく優しかった
「私もだよ梓ぁぁぁぁぁ!?」
私も思いっきり泣いた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
私たちはまた作業をするために家に戻った
「由衣?」
「何?梓」
私は原稿用紙に下書きしながら言う。
今かいている漫画も恋愛もの。
恋はわからないけど自分で描いていても
なんだか楽しくなってくるから…
「由衣って坂原零君が好きなの?」
坂原零って誰?
「えっーわかんない?坂原零くんはさっき
海斗君といた男の子だよ。私同じクラスだから
知ってるんだけど、零君あまり話さないから
って言うかそういうところが女の子にモテるん
だけどね。クールだって!」
へえ…。梓のクラスメイトだったんだ。