第3話 弟と見知らぬイケメン
男の人の声がした方を向いてみると、
私の弟と見知らぬ男性がいた。
年齢は私と同い年くらいだが…
とても大人っぽかった。
…世に言う“イケメン”なのか?
そう思っていると弟の海斗が話掛けてきた。
「なんで姉ちゃんここにいんの!」
「あんたに関係ない事。」
「なっ!俺あんたの弟だよ!!
あっ!また梓さんと喧嘩したとか?」
「……
喧嘩はしてない。」
「じゃあどうして悲しい顔してんだよ!!」
……
弟が初めて私に怒鳴った。
たまに喧嘩するけどこんな真剣な顔で
怒鳴られたのは初めてだった。
「一応姉ちゃんだから…
心配なんだよ!」
…
「海斗…」
なんだか熱いものが込み上げてくる。
そして崩れだす。
「…っ」
「何でいつも…」
私はまた逃げてしまった…
すると…
何かに躓いて倒れそうになった。
「…っ!」
目の前は机のかど。
『ヤバッ。』
と思っていたら。
何かにてを引かれた
「えっ」
そして何かに抱き締められているような状態になる
その何かは…
さっきの
見知らぬ男性。
見知らぬイケメン君だった。
「危なっかしいな。
海斗の姉さん…」
……オイマテ?
この距離は…一体…
「…っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
頬が熱くなる。
「あっあの…」
「あっ」
男性は直ぐに放してくれた。
が…
触れられた所が熱い。
…って
この人!!!!!!!!!!!!
よく見てみると、学校で見かけた事があるような…
気のせい?
まぁいいか。
一応お礼を言っとこ。
「あの…
ありが…」
「由依!!!!!!」
「あっ梓!」
梓がきてくれた。
私あんなに酷い事言ったのに。
逃げたのに
「何で?ここに?」
「海斗君から聞いた。」
「…そうなんだ。」
梓の息は荒れている。
走ってきてくれたのかな
「梓…」
「今、雨凄く降ってるの。
由依…帰ろ」
「うん。」
私達は図書館を後にした