第2話 バカだよ。私…
梓の顔はとてつもなく暗かった。
『こんな梓初めて見た。』
私はそう思った。
いつも明るくて、元気で
笑顔が可愛くて、笑顔が似合ってて私はそんな梓が大好きだった、いや大好きなんだ
親友の暗い顔を見るのは辛いよ
だから、私は梓を抱き締めた。
何となくだけど、抱き締めたのだ。
「…由依?」
梓にも辛い過去があったんだよね。
なのに私はなんにも知らないのにあんなこと聞いて
本当バカだよ。
私って…
…梓には彼氏がいる。
それで私は恋って何なんだろって
聞いちゃったんだ。
何でいつも私は…
人の迷惑になることしかできないんだろ。
「ごめんね…」
私はそう呟いて走った。
「由依!!!」
梓の声が聞こえた。
でも私は足を止めずに自分の家を出た。
“ガチャッ”っ物凄い勢いで
扉を閉めた
目には沢山の涙が込み上げてくる
そして下へと転がり落ちた。
春と冬の境目の季節…
かぜに当たってる肌が痛い。
チクチクと針をさしたように痛かった。
そして。
心も刺を指したように痛かった…
◇ ◆ ◇ ◆
私が向かったのは図書館。
今は気まずくて家に帰れないから
ここで漫画のべんきょうをする。
勉強と言っても、ただ漫画を見るだけではない。
図書館で働いている人から紙を貰って
漫画のえを模写する。
そして後で自分の絵と見比べる。
それだけだ…
模写ること5分
ベタもし終わった。
トーンは勿体ないし今は持ってなかった。
うーん。
いまいちか…
「うおー。
お前、絵上手いな!」
急に後ろから声がした。