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第3話『亜実の決断 2』
「憐ちゃん」
興奮している憐姉ちゃんに対して、優しい声で呼ぶ。
「憐ちゃん。私は、別に自分を犠牲にしているなんて思っていないわ」
そして、ゆっくりと自分の思いを語り始めた。
「私はね。本当は大学には行かずにお店で働こうと思っていたの。でも、お父さんに反対されちゃってね…」
「……どうして、姉さんはそこまであのお店で働こうと思ってたの?」
亜実姉さんに亜紀ねぇが尋ねる。
「そんな大層な理由は無いわ。ただ……私はあのお店が大好きなの。お父さん達が毎日笑って働いていたあのお店が……」