表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エーテルコード  作者: エトコッコ
第1章:ファクターズ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/38

第3話「雷の武士と氷の巫女」


ゴォォォッ!!


空を切り裂いて、2機のEDが降下してくる。

白金の装甲を纏った閃のED、バサラヲ。

白銀の流線型ボディを持つ怜のED、シラユキ。


地面に着地した瞬間、衝撃波が周囲へ広がった。


『よいしょっ』


閃の声が、バサラヲから軽快に響く。


『……おまたせ』


怜の落ち着いた声が、シラユキから響く。


烈と音が安堵の息を吐く。


「とりあえず、あとは頼む!」


2機のSD——ブロックスとクリューガーは、突然現れたEDに警戒を強めた。

ブロックスはライフルを、クリューガーは盾とナイフを構える。


「…アンタらさぁ…」


閃が呟いた直後、ブロックスが発砲した。


電磁弾が鋭く空気を裂く。


バサラヲは即座に背中の刀、“金剛鬼伝”を抜刀。

黄金の刃が閃き、飛来した弾丸を斬り払う。


カキィンッ!!

火花が弾けた。


「おっと」


閃が軽口を叩く。


同時に、クリューガーがシラユキへ突進してきた。

重装甲の巨体が、地面を揺らしながら迫る。


だが、怜は動じない。


シラユキの脚部ホバーユニットが作動し、機体が滑るように移動。

クリューガーの突進は空を切った。


一方、バサラヲは跳躍しブロックスへ肉薄。

ライフルを一刀両断した。


ガシャンッ!!

武器が転がり、ブロックスは後退する。


「ケンカするなら、場所を選びなっ!!」


しかし閃の声は届かない。

ブロックスは腰のハードポイントからハンドガンを抜き、再び構えた。


「そうかい…!」


閃は刀を構え直す。


ブロックスが発砲しようとした瞬間、閃の姿はすでに視界から消えていた。


刀が輝き、ハンドガンを斬り飛ばす。

続けて脚部の関節へ一撃。

最後に腕部の武装ユニットも切断した。


ガキィンッ!!


ブロックスが膝をつく。


「…もう、やめな」


閃の声に、機体の動きが止まる。


ハッチが開き、若い男が震える手で降伏の意思を示した。

閃は小さく頷く。


一方その頃、クリューガーは再びシラユキへ突進していた。


怜は静かに息を吐く。


回避と同時に、“フロストジャベリン”がクリューガーの脚部を打ち据えた。

巨体がふらつき、大きくバランスを崩す。


ガシャァンッ!!


怜は間髪入れずジャベリンを構え直し、盾を弾き飛ばす一撃を叩き込んだ。


ガンッ!!

盾が宙を舞い、地面へ転がる。


それでもクリューガーは戦意を失っていない。

ナイフを握り、ふらつきながら立ち上がろうとする。


「……はぁ」


怜が小さくため息をついた。


次の瞬間、シラユキのジャベリンが高速で振るわれ、クリューガーを完全に無力化した。


「……制圧完了」


怜は淡々と言い放つ。


クリューガーのハッチが開き、中年の男が両手を上げて出てきた。

怜の肩が、わずかに落ちる。


数分後、軍警が到着し、2人の男は連行されていった。


烈と音が駆け寄る。


「お疲れ」


「お疲れ様です」


「無事に終わったにゃ〜」


閃が伸びをしながら笑う。


「……軽い」


怜が呆れた声で言うが、その瞳はどこか柔らかかった。


街は静けさを取り戻し、人々は安堵の表情で日常へ戻っていく。


ファクターズの仕事は——

いつも、こうして静かに終わる。



その夜、4人はオルフェ研究機関の食堂で夕食を囲んでいた。


「今日もお疲れ様でした!民間の皆さん含め、怪我人0で良かったです!」


音が明るく言う。


「いやぁ、音と烈がパトロールしてて助かったよ」


閃が返す。


「…しかし、また小競り合いか」


烈が苦く呟く。


「終わらないね…こういうの」


音も静かに言った。


世界は、表面上は平和だ。

だが、その裏では——今日のような小さな争いが絶えず起きている。


「でも、俺たちがいる限り、守れるものはある」


烈が真剣に言う。


「うん」


閃が頷く。


「そうだね」


音も頷く。


怜は静かに視線を落とした。


——そして、彼らはまだ知らない。

この日常が、やがて大きく揺らぐことを。


世界の裏で、3つの勢力が動き始めていることを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ