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エーテルコード  作者: エトコッコ
第5章:交流

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第2話「アポイント」


天華連盟・研究室。


リーアとチャンは、レギオンΩの戦闘ログを確認していた。


「ほう……完全同調か」


チャンは驚くでも焦るでもなく、淡々と呟いた。


「ウチ、ビックリしましたよ〜」


リーアは軽く言った。


チャンはモニターを見つめたまま言う。


「想定されていたモノだ。今まで実現しなかっただけで。あの装甲でも防げないほどのエーテル攻撃か…。だが、あれは元々“護身用”程度。こちらにはギアもある。依然問題はない」


「そっすね〜」


リーアは軽く答えたが心の中では、簡単に言ってくれるよな〜…と思っていた。



格納庫へ向かうと、サキがレギオンΩの前に立っていた。


「サキ、そっちどうだった?」


リーアが声をかける。


リーアがオルフェと交戦していたのと同時期、サキはイシュタールへ出向していた。


サキは振り向き、短く答える。


「……以前より、力は増している」


視線の先には、損傷したサキ機の装甲。


リーアも思わず眉を上げた。


サキもリーア機の損傷が気になっていたようだ。


「……あぁ、これね」


リーアは、オルフェでの出来事を話した。



イシュタール財団・格納庫。


ゼクストの4人とナンシーが集まっていた。


サムがぴょんと跳ねながら言う。


「アフフ……!ボ、ボクたち、前より強くなってきてるよね!?」


イノも頷いた。


「うん。間違いなく強くなってる」


アークは腕を組みながらぼやく。


「でもよ、4人がかりってのが気に食わねぇんだよなぁ……」


ナンシーが優しく笑う。


「あなたたちの成長スピードならすぐに追い越せるわ。大丈夫」


クリスは淡々と、そのやり取りを眺めている。


その時、ナンシーのタブレットからヨハンの声が響いた。


『ゼクストの諸君!!素晴らしい戦いだった!!この調子でファクターズもやっちゃおうぜ!?』


テンション高めの声に、ゼクストの表情は微妙に沈んだ。


するとヨハンはあっさりと言った。


『おー…可愛い少年少女。ジジイがはしゃぎすぎたね、ゴメンね。ところで、ファクターズと“交流”とかしてみたい?』


「え?」


ナンシーまで目を丸くした。


イノが小さな声で答えた。


「……はい。彼らと、話してみたいです」


ヨハンは即答した。


『ならさ、やっちゃおうよ。“交流会”』


その場が一瞬で静まり返った。



オルフェ研究機関・作戦司令室。


エドワードが深々と頭を下げた。


「烈くん、閃くん。美晴さんのご冥福を、心より祈るよ……。そして、ファクターズ諸君。日々の働きに心から感謝している。本当にありがとう」


烈が首を振る。


「いえ、エドワードさんがすぐ動いてくれたおかげです」


閃も続けた。


「僕らが普段こうして動けるのは、スタッフの皆さんあってこそです」


怜と音も強く頷く。


「そう言ってくれると嬉しいよ」


エドワードは微笑むと、トーマスに向いた。


「……ところで、イシュタールの動きが最近見えないな」


トーマスが答えた。


「ええ。赤のレギオンがオルフェと交戦していた同時刻、紫のレギオンはイシュタールと交戦していたようです」


「そろそろ何か動きがありそうだな……」


そう呟いた時、音が恐る恐る手を上げた。


「あ、あの……」


エドワードとトーマスが振り向く。


音は俯きながら続けた。


「怒られちゃうかもしれないけど、ゼクストのみなさんと……お話してみたいです……」


閃も続けて言う。


「すみません。僕達も同じ気持ちです」


前回の閃とイノのやり取りを聞いていたエドワードとトーマスは、すぐ理解した。


トーマスが腕を組む。


「……しかし、どうやって?」


エドワードも考える。


「仮にゼクストに戦意がなくとも、DDがどう動くか……」


烈がつぶやく。


「戦いになる前に、ってのが一番理想なんだけどな……」


『じゃあさ、交流会開いちゃえば?』


音がぱぁっと明るくなった。


「交流会!!すごくいい!」


だが次の瞬間、全員の視線がモニターへ向く。


“GIGAS”


ヨハンだった。


トーマスが叫ぶ。


「ヨハンッ!!」


エドワードも続ける。


「また貴様か……!!」


烈はブチ切れた。


「テメェ!!なんで自然に会話入ってきてんだよ!!仲良しのご近所さんかゴルァァ!!」


烈が大声で叫んだ。


音も横でぶんぶんと頷いている。


怜は無表情のままだったが、その例えいる?と内心ツッコんでいた。


閃が問う。


「交流会?」


ヨハンが軽く答える。


『ゼクストもファクターズと話したいって言うからさ。だったら交流会でよくね?って』


トーマスが怒鳴る。


「何を企んでいる!!」


ヨハンはけろっとしている。


『いやいや、今回はマジで何もないよ〜?普段、ゼクストの皆には頑張ってもらってるし、たまには息抜きさせてあげたいだけ』


トーマスは眉をひそめる。


「信じられるか!!」


するとエドワードが静かに口を開いた。


「……ファクターズ。君達はどうしたい?」


少しの沈黙——


そして、閃が答えた。


「交流会…したいです」


エドワードは頷き、モニターへ向いた。


「だそうだ」


『は〜い。じゃ、日程・場所はあとでハッキングして送っとくね〜♪』


そう言ってヨハンの映像は消えた。


トーマスは困惑した表情だった。


「……大丈夫なんですか?」


エドワードは深く息をつき、答えた。


「奴が嘘をつく時は分かる。今回の件に関しては、嘘はついていない……。最も、何を考えているかは分からんが……」


トーマスは静かに頷くしかなかった。

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