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89話: 最終迷宮
異次元の空間が一変し、前方にはこれまで以上に複雑な迷宮が立ちはだかる――最終迷宮だ。壁や床、光の配置は絶えず変化し、足を踏み出すたびに新たなルートが生まれる。
「……全ての情報を統合しなければ」
慧はこれまでの試練で得た全てのデータを脳内で整理し、次の一手を計算する。膨大な情報量が、解析の限界を試す。
雫は直感で、光や空間の揺らぎ、心理的圧力の流れを感じ取り、最適な進路を瞬時に導く。解析だけでは突破できない、直感の力が必要な空間だ。
互いの呼吸を合わせ、一歩ずつ進む二人。最終迷宮は心理戦も極限に達しており、他者の意図や異次元情報の干渉が次々と現れる。慧は解析で変化を予測し、雫は直感で危険を回避する。
やがて迷宮の中心に到達すると、空間は収束し、光の渦は静かに鎮まる。慧は深く息をつき、雫も安堵の笑みを浮かべた。
最終迷宮は、解析・直感・心理戦の全てを試す究極の試練だった。二人の連携と信頼は、これまで以上に深まったのである。




