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85話: 覚醒の契機
異次元の核を抜けた先、慧の中に新たな感覚が芽生えた。分析者としての能力が、これまで以上に鋭く、直感との融合が自然に行われる。
「……これは……」
慧は自分の思考と直感が、これまでよりも即座に結びつく感覚に驚く。膨大な情報が、瞬時に整理され、最適な行動を示すようになったのだ。
雫もまた、直感の精度が高まったことを感じている。光や空気の微細な揺らぎから、従来では気づけなかった異次元の変化を察知できる。
二人は目を合わせ、無言で意思を通わせる。呼吸を合わせ、一歩踏み出すと、情報と感覚が完全に連動し、これまでの試練では見えなかった安全なルートが浮かび上がった。
異次元の空間は、まるで二人の能力覚醒を祝福するかのように、光を静かに変化させる。心理的圧力や他者の影響も、二人の結束を揺るがすことはなかった。
「これが……覚醒の瞬間か」
慧が呟く。雫も微笑みながら頷く。
覚醒の契機は、二人の連携と個々の能力の進化を示すものであり、今後の試練において大きな武器となる。




