8話: 虚空の棋盤
幻影の迷宮を抜けた慧と雫は、次なる空間に足を踏み入れた。
そこは広大な空間に無数の光点が浮かぶ、巨大な棋盤のような異次元の舞台だった。
しかし、前回の棋盤とは異なり、光点は不規則に浮遊し、足を踏み出すたびに空間自体が歪む。
「……まるで空中に浮かぶ無限の盤面だ」
慧は視線を巡らせる。分析者の脳が、無数のパターンを瞬時に解析しようとするが、情報量は膨大で、直感が欠かせない状況だ。
「雫、この盤は……規則性が読めない」
慧の声に、雫はすぐさま光の揺れを感じ取り、微細な動きを指先で追う。
「直感で次の一歩を決めるしかないわ」
一歩踏み出すたびに、空間は振動し、光点の位置が変化する。
他の参加者も現れ、盤面上の影響を与える。
心理戦が絡み合い、解析だけでは突破できない複雑な状況が生まれる。
慧は呼吸を整え、雫の直感に信頼を置きつつ、自らの分析で補助する。
「光の揺れ方には法則がある……短時間で全体を把握できるか」
雫は微かな光の差異を読み取り、次の安全ルートを示す。
二人の連携が盤面を徐々に制御する中、虚空の棋盤は少しずつ出口への道を明らかにしていく。
やがて、最後の光点が収束し、歪んでいた空間が安定する。
「突破……成功だな」
慧は小さく息を吐く。雫も微笑みながら頷く。
しかし、空間の果てには、まだ未知の試練が待っている。
虚空の棋盤は、異次元情報の解析と直感、心理戦の融合を示す、次なるステージの始まりに過ぎなかった――。




