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5話: 鏡界連鎖

虚数の棋盤を突破した慧と雫が次に足を踏み入れたのは、鏡のように反射する無限の廊下だった。壁も床も天井も鏡面で覆われ、光や影が幾重にも重なって視覚を惑わせる。


「……ここは、何重にも錯覚が重なっている」

慧は足元の光を分析しながら、一歩ずつ慎重に進む。

どこまでが現実の床で、どこからが映像なのか――錯覚が常に判断を狂わせる。


「慧、この光の揺れ……過去の位置が残像になっているわ」

雫は直感で、光の連鎖パターンを読み取る。

「この連鎖をたどれば、次の出口に導かれるはず」


だが、この廊下は単なる迷宮ではない。

前を行く者の行動が、後ろの層に影響を与える「連鎖機構」が仕込まれていた。

踏み外せば、過去の選択が巻き戻され、思考のループに陥る。


慧は慎重に解析する。

「連鎖パターンを分解すれば、全体像が見える……でも時間との勝負だ」

雫は瞬時に反応し、光の揺らぎの微細な差異を読み取る。

直感と分析の融合こそ、この課題の鍵だった。


やがて、二人は連鎖の法則を把握し、正しい順序で光点を踏み進めることに成功する。

出口の兆しが微かに光り、鏡面に映る二人の影が重なり合う瞬間、慧は思った。


「……協力して突破する感覚。これこそ、異次元情報を扱う意味だ」


しかし、背後で他の参加者たちの影がちらつく。

協力と競争、直感と解析、心理戦がさらに深まる――。

鏡界連鎖は、異次元情報と人間の心の絡み合いを示す新たな舞台だった。


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