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12話: 残像の迷宮
歪みの迷宮を抜けた慧と雫の前に広がったのは、光と影が交錯する残像の迷宮だった。
足元や壁に映る影は、まるで過去の行動の残像が現実の一部になったかのように揺らめく。
「……残像が次の一手を惑わせる」
慧は微細な変化を観察しつつ、光点のパターンを解析する。
しかし、この迷宮は単なる物理現象ではない。心理戦の要素が絡み、他の参加者の影響で残像が複雑に変化するのだ。
「慧、直感を信じて」
雫は視覚で捉えられない微細な振動や波長を感知し、正しい道を示す。
「過去の残像に惑わされず、未来を読む……」
慧は分析で雫の感覚を補助し、二人は慎重に進む。
残像は時折、本物と見分けがつかない幻影を作り出す。
誤った判断は迷宮の初期位置へ強制的に戻される仕組みだ。
心理的なプレッシャーと空間の複雑性が、突破を困難にしている。
それでも、二人は連携を崩さない。
慧は残像のパターンを冷静に分析し、雫は直感で危険を回避する。
「……ここだ、進むべき道は」
二人の意思が一つになった瞬間、残像が消え、迷宮が静止する。
突破した先に待つのは、新たな異次元情報の扉。
残像の迷宮は、過去・未来・心理の複雑性を体験させる試練であり、二人の能力と信頼を試す舞台だった――。




