プロローグと序文
人類が誕生する前、時間そのものが生まれる前に、名もなき存在によって創造された樹木がありました。
初めに、世界樹であるユグドラシルが伸びていました。その根は深淵で、枝は神聖な天空に触れていました。そしてその中心には...世界がありました。
樹液と運命によって形作られた世界です。
埋もれた根は、中心世界の下にある冥界と呼ばれる世界に根を下ろしました。冥界は、根がある無と物質の境界であり、「中心世界または生者の世界」です。生者の世界は幹の上にあり、雲の上で固く脈打ち、振動していました。中心世界の上には、肉眼では見えないユグドラシルの枝が数え切れないほどあり、神々の王国を運んでいました。
万神殿。
誇り高く残酷なオリンピア。
周期的で深遠なヒンズー教。
冷たく熱烈な北欧。
古代で神聖なエジプト。
枝はそれぞれ空であり、空はそれぞれ信仰であった。人々は祈り、神々はそれに応えた。寺院の意志と聖人の声によって、人々は魔法を受け取った。それは信仰を吹き込まれた神聖な贈り物である。
しかし、すべての力には代償があった。神々を変えることは、古い神々を忘れることでした。そして、それとともに、彼が捧げたすべてのものも忘れ去られました。
世界はそうであった。
ユグドラシルはそう振動した。
しかし、バランスは幻影に過ぎない。遠い昔、星々さえも忘れてしまったほど遠い昔に...
天の災い、吠える渦であるテュポンが神々に反抗した。彼の傍ら、怪物の母であるエキドナは、神々に立ち向かう怪物を生み出した。
それは最初の裏切りであった。
最初の戦争であった。
空は炎に包まれた。地面は身もだえした。世界は永遠に傷ついた。
戦争が終わったとき、それは敗北であった。ティフォンは粉々に砕け散った。3つの破片。彼の怒りから生まれた3体の獣、マンティコア、ドラゴン、スフィンクス。それぞれが人間から遠く離れた秘密の地下牢に封印された。
一方、エキドナは冥界の奥深くに閉じ込められた。そして世界は再び息を吹き返した。
…彼女が戻ってくるまで。
9000年後、怪物の母は彼女の鎖を断ち切った。彼女の影は広がった。パニックに陥った神々は、これまで決して敢えてしなかったことをした。
彼らは自らの精髄を人間の体に注ぎ込んだ。
そしてこの融合から三位一体が生まれた。
英雄、半人半獣、ティフォンの破片を半分ずつ持つ者。火は火に、混沌は混沌を封印する。
そしてそれは奇跡だった。
石碑が建てられた。エキドナは再び封印された。
しかし大地はその傷跡を負った。彼女の存在によって変化した自然は、新たな存在を生み出した。ハイブリッド。フューリー、人間の顔をした獣。中央世界に住むケモノミミ、半人半獣。疲れ果てた神々は彼らを消し去ることができなかった。そこで彼らは、忍び寄る腐敗を封じ込め、他のハイブリッド生物の出現を防ぐために、沈黙の守護者である精霊を創造した。そして世界は忘れることなく、深呼吸した。決して忘れない。過去の影から、現在が生まれたのだ。そしてある日、この揺らめく世界の中心に、子供が現れる。沈黙と嵐の息子。しかしそれは…
…また別の話だ。