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ピアニッシモの貴方様
ねぇ、なぜそんなに小さき声?
ねぇ、なぜそんなに優しい?
ねぇ、なぜそんなにはにかむ?
ねぇ、なぜかわいい片エクボ?
ねえ、なぜわたしは目が離せないの?
ああ、あなたの周りの世界になりたい、
ああ、あなたの好きな1つになりたい、
しとしとしとしと、しとしとしと、
しとしとしとしと、しとしとしと、
青蛙、紫陽花、泥の水たまり、
蒸せる陽だまり、
狐の嫁入り、
雨やどりの夕暮。
初めて会った運命の時間、
小さき、弱気、泣き虫な、
ピアニッシモの貴方様へ。
※この詩を作った背景は、次回作の短編小説の少女が見た少年との出会いのワンシーン。
流れる詩のような、金平糖がサラサラ落ちていくような、爽やかな恋愛小説を描いてみたい。