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詩人になろう  作者: 星野 満


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17/33

金木犀の花が咲く頃……

◇ ◇ ◇ ◇




金木犀(キンモクセイ)の花が咲く頃 貴方を想う 



金木犀の花が咲く頃 私は貴方を想う 




貴方は夜中じゅう子供みたいに 

街路樹の生垣に顔を埋めて嗅いでいた 



まるで金木犀に(いだ)かれるように

まるでゆりかごの赤子のように

満ち足りた笑顔で(いだ)かれていた 



春の沈丁花ジンチョウゲ

夏の梔子クチナシ


秋の金木犀キンモクセイ 



男のくせにロマンチックな人ねと 私はからかう 


悪いかよ 好きなんだからいいんだよと 

貴方は口を(つぼ)める 



神無月かんなづきの頃……


通りを歩けば ほのかに甘い柑橘系の薫り 


生垣の橙黄色の目立たぬ地味な花が咲いている 




ああこの薫り 

貴方の大好きだった金木犀 



私はそっと(まぶた)を閉じる 


匂いを香うて 貴方を想い出す 



ああ涙がでる 

ああ涙が溢れる 


ああ涙が(こぼ)れる── 



貴方はいない


もう貴方はいないのに……



今年も金木犀(キンモクセイ)の花が咲いたよ 













※ これは小説のモチーフではなく、私の青春時代の思い出をフィクションにした詩です。

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― 新着の感想 ―
金木犀の香りって独特ですよね。 大切な人が好きだった花の香りで、思い出が蘇ってきたんですね。 思い出って、映像だけでなく、匂いや、味や、場所や、音楽にも宿っていたりしますね(*^^*) 流してる涙が…
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