体育大会編①
体育大会編始まりました!
よろしくお願いします!
体育大会が近くなってきて、周りのクラスも走順決めが始まってきていた。
恐らく今日のロングホームルームで俺たちのクラスも決めるのだろう。
「おぉー!!」
「今日も相変わらず死んだ顔してんな〜」
ちゃっかり悪口を言いながら後ろからどついてきたのは、雄大だった。
「お前痛てぇよ 」
「てか、雄大はリレーやっぱアンカー走るの? 」
雄大はこれでもサッカー部、スポーツ特待生のバリバリスポーツマンだ。
中学の頃から学年1足も早かった。
「そうだなぁ、かっこいいとこいっぱい見せたるわ 」
かっけーなー
「やっぱモテるなー雄大は 」
あいつは毎年、体育大会が終わったら誰かに告白されるという定期イベントに遭遇していた。
「何言ってんだよ俊、 」
俺は変な間に違和感を感じていた。
「お前茜ちゃんと仲いいじゃん 」
「男子で話せるのお前だけだかんな? 」
え、
俺は今までそんな事意識したことがなかった。
そんな会話をしているとホームルームが始まる鐘が鳴り、お互い席に戻った。
俺が茜が話す唯一の男子って本当なのか?
そんな考え事をしていると、早速リレーの走順決めが始まっていた。
「おい、俊も早く希望書きに行かないと先頭バッターになっちまうぞ 」
ボートしていた俺は雄大の声で我に返った。
そうだ、俺は茜と約束した。
リレーは前後で走ろうって。
俺は急いで黒板に名前を書きに行ったが、仲介者タイプINFPである俺は既に名前が書いてあるところに被せて書くなんてことは出来なかった。
これじゃほぼ早いもん勝ちみたいだな。
そもそもぼーっとしていた俺が悪い。
ふと茜のことを思い出し、あかねの名前を探した。
完全にやらかした。
俺は最低だ、茜が言ってたじゃないか、一緒に走りたいって。
それなのに俺は……
俺は目の前の黒板の茜とは遠く離れた走順表を眺め、罪悪感にひたっていた。
結局そのままの走順で決定してしまい、その日のホームルームは終わってしまった。
ホームルームは帰りのホームルームも兼ねていて、その日の授業は終わった。
下校するために茜の席に向かうと、やはり思っていた通りだった。
怒り、というより悲しみに溢れた表情。
「茜、すまなかった 」
「俺が気を抜いていたせいで 」
茜は俺の言葉を聞いて、座ったまま上目遣いで俺を見上げていた。
綺麗な瞳に吸い込まれそうになってしまいそうだ。
「ん?なんのこと? 」
え?
俺は理解が追いつかなかった。
茜は気にしていない?
ならあの悲しそうな雰囲気はなんだったんだ。
「い、い、いいや、やっぱ大丈夫!」
俺は焦って言葉を取り消した。
これ、お父さんがクロちゃんだったとかなった時ぐらい恥ずいぞ。
「なんか今日悲しそうだけど、何かあった? 」
俺は感じた違和感を率直に聞いてみた。
「え、やっぱ分かっちゃう? 」
やはり何か悲しいことがあったんだ。
次にあかねの口から出た言葉は、俺の思考を停止させた。
「私今日、告白されたんだ 」
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続く
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