新たな仲間!そして2人の絆
第6話です!
よろしくお願いします!
俺は、声がした後ろを振り返るとそこには見覚えのある顔があった。
「俊、おはよ! 」
え?なんでこいつがここに?
俺の目に入ったのは小学校からの親友、鐘友雄大だった。
だが、こいつは俺の記憶だとサッカーのスポーツ推薦で名門私立に進学したはずだ。
俺以外にも前の世界と高校が変わったやつがいるってことか。
だけど入学して周りが友達作りに必死な中、親友が居てくれるとほんとに心が落ち着く。
「おはよー雄大 」
「て、おい、お前なんで茜ちゃんと一緒に登校してきてんだよ 」
俺が挨拶を返すと雄大が耳元で囁くように聞いてきた。
「えっと〜、それは、登校中に迷っちゃってその時に茜…園宮さんに助けてもらったんだ 」
俺はヒヤヒヤしながら言い訳をした。
確かによく考えてみれば国民的女優の茜と2人きりで登校するなんて他の生徒からしたらビックニュースだ。
雄大の反応的にこの学校では高嶺の花みたいな感じでみんな近寄りずらいのだろう。
「え…なんだそれ、どこの漫画の話だよ」
雄大は少し笑いながらも何も気にすることなく信じた。
雄大が純粋なサッカー少年で助かった。
(馬鹿とは言ってない)
今は茜と俺はお互いそれぞれの友達と話しているが、これからもあまり距離が近すぎると何か噂が流れてもおかしくない。
学校内では少し距離を考えて行かなくちゃな…
俺と雄大は1時間目が始まるまで一緒にダラダラしていた。
「やっぱこの学校校舎も綺麗だよな〜」
雄大は窓から外を見て独り言のように話していた。
これはなんで雄大この学校に入学したのか聞くチャンスだ。
「雄大、そういえばなんだけど、なんでお前この学校に入ったんだ?」
「お前サッカー上手いんだしそっちの進路にも行けたんじゃないのか?」
俺が聞くと少しニコニコしながら雄大は答えた。
「だってこの学校めっちゃ可愛い子いっぱいいるじゃん!」
あ……
そんなことだろうと思ってたがまさか予想が的中してしまった。
雄大は中学の頃からずっと女の子が大好きだ。
だからといってそんな動機で高校を選ぶなんて……不純すぎる。
確かにこの学校は芸能人も多くて、容姿端麗な生徒が多いことも事実だ。
まぁいい、人の人生なんだから俺がどうこう言うことでもないしな。
その日の授業が終わり学校を出ようとしてスマホを見ると、そこには茜からのメッセージが来ていた。
〔学校出たとこのコンビニでまってるねー
一緒帰ろ!〕
俺は一瞬思考が停止した。
俺は何を考えていたんだ。
学校での噂が怖い?
そんなの俺の都合じゃないか。
だってこっちの世界にきて、茜の学校生活をリベンジするって決めたんだ。
俺はこのままだと嘘つきになる、噂が流れるからとか言って茜との関わりを減らすなんて、俺は最低すぎる。
会ったら茜に謝ろう。
今日の学校内での茜の目はなんだか悲しく見えた。
それが俺のせいでなかったとしても、茜を楽しませるのが俺の仕事だ。
俺に責任がある。
コンビニに着くと、茜はグミを食べながらイートインスペースで待っていた。
グミを食べている横顔すらも、もう美しい。
「茜、遅れてごめん!」
「全然大丈夫だよ」
俺の言葉に茜はニコッとして答えてくれた。
なんでこんなに柔らかい表情ができるんだ。
それはテレビドラマで見る茜とは段違いに綺麗だった。
見とれていると、俺は目的を思い出した。
そうだ、伝えなきゃ。
「今日俺、茜に冷たくしちゃってた」
「学校で噂が流れると困ると思って、でも俺は茜に楽しい学校生活送って貰うって決めたのに…」
「ごめん」
俺は頭を大きく下げた。
「えぇ〜、ちょっと、頭上げてよ!そんな私気にしてないから!」
「私も言おうと思ってたんだ、なんか今日避けられてる感じがしてて、悪いことしたかなと思って。」
茜は頭を下げる俺を許すように言った。
「これから沢山思い出作ろうよ!」
「まだ私たちの学校生活は始まったばっかだよ〜」
なんで、なんでこんなに優しいんだろう。
これが本物の"女神"だ。
「ありがとう、俺絶対に茜を楽しませて見せる 」
ちょっとかっこつけすぎたかもしれないけど、そんなのどうでもいい。
「あとね、私からも大事な話があるの」
「私決めたの、もう女優辞める!」
え?、え………??
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続く
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