近づく試練
体育大会は無事終わったが、次にやってくるのは定期考査だ。
俺たちの学校は一年に6回の定期考査がある。
次のテストは俺たちにとって最初のテストだ。
星湊高校は普段の授業は自由参加でもテストは必須なのだ。
と言っても普段の学校を休むやつもほとんど居ない。
「俊おはよ〜」
俺が茜の家の前に着くと玄関から制服姿の茜がトコトコと出てきた。
え?
玄関の扉が閉まり終わると、俺は少し動揺してしまった。
というのも、なんと茜の後ろには制服姿の藍もいたのだ。
「おはよう俊くん」
「お、おはよう」
「その制服って星湊高校だよな?」
「藍も同じ高校だったのか!?」
俺が驚いたような表情を見せると茜が咄嗟に説明を始める。
「あ!そうだそれも言ってなかったごめんごめん」
「藍は普段はモデルのお仕事があるから学校はテストとテスト前しか行かないの」
「モモモモモデル!?」
「藍モデルやってたのか.......」
さすが美人姉妹だ、2人とも持ち前の美貌で世間で活躍しているようだ。
「驚かせちゃってごめんね」
「だからテストまでは一緒に登校させて欲しいな」
「あ、あぁもちろんだよ!」
俺がこんな2人の隣を歩いていいのか?
なんだか自分がちっぽけに見えてきた。
茜の家を出発し雑談や昨日のお疲れ会の話で盛りあがっていると、あっという間に学校に着いた。
「私別のクラスだからここで〜」
校舎に入ると藍とはクラスが違うので途中で別れた。
「藍は今日が初めての学校だから心配だな.....」
教室に向かう途中、茜が呟いた。
「藍はコミュ障だし、ちゃんと友達が出来ればいいな」
そんな言葉は見事フラグとなり、気づけば茜と俺とそして少し涙目になりながらお弁当箱を広げている藍で屋上に来ていた。
「私をご飯に誘ってくれてありがとう....」
「あ、藍?クラスでちゃんとお友達作らなかったの?」
茜が優しく問いかける。
「たくさん喋りかけてくれたんだけど、わたしまたフリーズしちゃって、そしたら休み時間が毎回終わってて......」
「「.............」」
「大丈夫だよ!」
「藍が学校に来た時はこうして3人で弁当食えばいいんだから!」
藍は弁当に向けた顔をピン!と上げて俺をまっすぐ見た。
茜もそうだが、この姉妹に直視されると光線で焼かれるように眩しい、俺が直視困難なのだ。
こんなに目力がある人は見たことがない。
「ありがとぉう!!!」
「だって俺たち友達だろ」
「うん!!!」
「ところでなんだけどさ.....」
俺たちの会話に茜が入ってくる。
「テスト来週の水曜日からだからさ、もう熱入れて勉強しないとね」
「ということで、私は図書館でのお勉強会を提案します!」
「テスト......そんな単語言わないでよお姉ちゃん...」
勉強が嫌いなのか、藍が見るからに元気を失った。
「俺は賛成だよ!」
「よし!なら決まり」
「今週の日曜日10時にに図書館集合ね〜」
「藍も10時なら起きれるでしょ?」
「勉強いやd.....」
「日曜日が楽しみだね〜藍」
藍が言葉を言い終える前に茜が藍を睨みつける。
といった流れで俺たちの勉強会が決まったのだ。
今週末が待ちきれない。
お読み頂きありがとうございます!
次回は勉強会を書きますね〜
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