3人でパーティー
付き合ってる!?
藍の言葉でその場の空気が凍りつき静寂が訪れる。
俺と茜はあまりに予想外の言葉に少し怪しい反応をとってしまう。
「え?まさかほんとに付き合ってたんですか?」
「私冗談のつもりで聞いちゃいました」
「いやいや!茜とは同じクラスの友達で....」
「そうそう!」
「だから誤解しないで!」
そうだ、さっき俺たちがさっき変な反応をしてしまったのは、 タイムリープのことを藍に伝える訳にはいかないからだ。
決して意識しているからではないだろう。
「え?そうなんですか?」
「俊くんかっこいいからお似合いだと思ったんですが.....」
藍の言葉に隣の茜が少し動揺したように聞こえたが、気のせいかもしれない。
「いえいえ、俺なんて全然かっこよくないよ!」
「茜は僕の何倍もかわいいけどね」
俺は少し自嘲気味に答えた。
「え!俊はかっこいいよ!」
「体育大会の時だってすっごく走るの速かったし!」
茜も俺の言葉を否定するために参入してきた。
しかし、その結果は残酷で、お互いがあとから押し寄せてくる羞恥心の並にさらわれた。
恥ずかしそうに目線を逸らす俺と茜を見て藍は少しニヤニヤしていた。
藍はおそらく仲が良くなるとイタズラ好き気質に変貌するのだろう。
その藍の性格を今体で感じとった。
「私が変なことを聞いてしまってごめんなさい..」
藍がその沈黙を破ると、辺りの空気が温度を取り戻しだす。
「気を取り直してパーティーをはじめない?」
俺は続けて提案した。
「そうだね!」
「うちの問題児が迷惑かけてごめん....」
茜は藍をジッと睨みつけると藍の背筋がピンと伸びる。
3人はグラスを持ち勢いよく乾杯した。
その後もお菓子や茜の焼いてくれたクッキーを食べたり、みんなで大乱闘スマッシュシスターズをしたりして楽しい時間をすごした。
とても青春をしていると強く感じる時間だった。
あっという間に時は過ぎ、気づけば時刻は5時を回っていた。
突然部屋のドアがノックされ、茜のお母さんが顔を出す。
「明日は学校だしもうそろそろお開きにしたら〜?」
茜のお母さんの言う通りだ。
「なら、俺は今日は帰らせてもらおうかな」
「うん!」
「また明日学校で!」
「ほら藍も」
「気をつけて帰ってね〜」
まだゲームに熱中していた藍が茜に促され挨拶をしてくれた。
一緒にゲームをするうちに藍とも随分打ち解けることが出来た。
今日は本当に楽しい一日だった。
俺はみんなに感謝を伝えて茜の家を後にした。
毎日の学校が楽しみだ。
お読み頂きありがとうございます!
よければブクマや星評価で応援お願いします!