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お家デート!?

(だから、俊が良ければなんだけど.....)

(私の家で遊ばない?)


俺は茜からのメッセージを何度も見直す。


「幻覚じゃないよな?」


俺は目の前に表示されたメッセージをいまだに信じられずにいた。


誰が考えたって、初めて遊ぶ男との場にいきなり自宅を選ぶのはおかしな話だ。


茜が天然だからか?

いや、シンプルに俺を信用してくれていると解釈した方がいいか?


ひとまず、既読をつけているのだから返信しなければ.......


(茜がそれでいいなら俺は構わないよ)

(いつにする?)


俺の送信した文に違和感は無いだろうか。


そんなこと考えても仕方ないか.....


俺がそんなことを考えている間にも新着通知が来た。


(俊が良ければ今週末の日曜日とかどう?)


俺が茜以外の用事を優先するなんてことは天地がひっくり返ってもありえない。


(いいね!それなら日曜日で!)


俺は喜びも含め力強く返事をした。


(楽しみにしてるねー!)


ただの文字の羅列なのに俺には茜が喋っている姿が想像できた。


それにしても、茜と2人でゆっくりできるのは、俺たちの初登校の朝以来だ。


あの時はコーヒーショップで苦いコーヒーを飲みながら甘い時間を過ごした。


って、ちょっと上手いこと言おうとしちゃったか。


あの時は周りの目とかは全然気にしてなかったけど、茜の女優として、そして人としての凄さを実感して、あの時はうかつだったなと反省している。


出会ったばかりの頃は自殺しようとしていた女子高生、として俺の目に映っていたが、今は完全に国民的女優として映っている。


なんで茜は俺にあんなに優しくしてくれるんだろうか。


今日は疲れたから寝ることにしよう。


俺は部屋の明かりを消して、静かに眠りについた。




それからというもの、日曜日を迎えるまでの1週間は俺にとってあまりにも短く感じ、気づけば茜との約束の日になっていた。


俺はいつもよりも少し早めに起き、朝食をとり、歯磨きを済ませ、順調に支度を進めた。


約束の時間までまだ時間がある。


ふと鏡を見ると、普段から変わらない髪を下ろしたノーマルな自分が写っていた。


「ちょっと整えてみるか......」


俺も高校生だった頃は額を露出させた、The高校生という髪型で登校していた。


大学に入ってしなくなったけど......


「また分けてみようかな」


俺は少し固くなっているワックスに手を伸ばした。


スムーズにセットを終えると、俺は玄関を出た。


少し早めに出てしまったが、遅れるよりは良いだろう。


だが、あまり早すぎる時間に茜の家を訪ねてしまうと、それこそ迷惑だ。


近くのアーケード街で時間を潰すか.....


久しぶりに前髪を上げたからか、少し陽の光が眩しく感じた。



俺は茜の家になに手土産を持っていこうと考え、近くのドン・キホーホに寄った。


店内に入ると涼しい風が流れてくる。


それと同時に目の前には見慣れた人陰があった。


「茜?」


そこに居たのは、私服姿の茜だった。

手にはお菓子やジュースが入っているカゴを持っていた。


「俊、どうしたの!?」


目を丸くしてびっくりしたような姿を見せる茜もとても愛らしかった。


「なにか差し入れでも買っていこうと思って、」


その真ん丸な輝く瞳を直視することが出来ずに、少し目を逸らしながら俺は答えた。


「それ、持つよ」


俺は返事を待つことなく茜の持っていたカゴを持ち上げた。


「ありがとう!」


茜は人の気持ちがよく分かるので、俺がカッコつけさせてほしいところは、きちんと受け入れてくれる。


「それにしても偶然だな」

「茜は家でゆっくりしててよかったんだぞ」


「俊くんも、こんな時間にいるの不思議だよ!」


茜は商品をレジに通しながら、クスッと小さく笑いながら言った。


「今日すっごく楽しみにしてたんだ〜」


「俺もだよ」


俺と茜は他愛の無い会話をしながら家に向かう。


茜と話していると時間を忘れそうになってしまう。

気付けば俺たちは茜の家の前にいた。


「前も来たことあるけど、やっぱ豪邸だね」


「そんなことないよ!」


謙遜はしているものの、事実周りの家とはまとっている空気が違った。


まるで結婚式場だ。


家に入ると茜のお母さんらしき人が出迎えてくれた。


「お母さんただいま!」

「お邪魔します」


「あら?一緒に来たの?」

「ゆっくりして行ってくださいね〜」


茜のお母さんだとすぐ気づくほど、容姿端麗で、モデルのようなスタイルで、気品に満ちた女性だ。


遺伝子ってすごいんだな.......


「買い物してたら偶然会ったんだ〜」


茜の母は納得したように頷くと、こちらに笑顔を向けてきた。


俺は軽く会釈すると自室に向かう茜の後を追う。


「ここが私の部屋だよ〜」


扉を開くと、そこはとてもシンプルで、まさに茜っぽさを感じる部屋だった。


俺たちは腰を下ろし、お菓子やジュースを机に並べる。


並べ終わると俺が茜の方を見るのと同時に茜もこちらを見たので、目が合って少し気まずさが漂った。


「それじゃ!はじめよっか!」


そうして、俺たちの体育大会おつかれパーティーが始まった。







茜の家みたいなところに私も住んでみたいですね〜

茜とのデートはあと2、3話書こうと思ってます!

ブクマ、星評価していただけると嬉しいです。

次回もよろしくお願いします!

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