体育大会編⑤
間隔空いて申し訳ないです!
また連載開始しました。
よろしくお願いします!
俺は雄大と合流して茜のダンスが始まるのを団のテントから待つ。
「お、おい、俊!」
「お前なんで茜ちゃんにあんなに応援して貰えてんだよ!」
「俺羨ましすぎて毛穴全部開いたぞ」
雄大が水筒のお茶をゴクリと飲んで俺に問いかける。
というか、毛穴前開きはキモすぎる。
「俺もうれしかったよ」
雄大は俺の表情を見てさらに羨ましそうにしていた。
茜はそれほどクラスでは憧れの存在らしい。
そうしているうちに女子のダンスが始まろうとしていた。
「しゅん〜、最前列行ってまどかちゃん拝むぞ〜」
雄大は相変わらずのクソガキだ。
俺はと言うと、もちろん見る相手は決まっている。
茜はどこだ......
ふと俺の目に1人のオーラを纏った人影が見える。
見つけた。、
ダンスのために高い位置でまとめられたポニーテール。
その綺麗で長い茶髪は透き通るようだった。
この学校の体育大会ではダンスはおまけのようなもので、点数には加算されない、というか点数の付けようがない。
俺が茜を見つけると同時に今流行りの可愛らしい音楽が流れ始める。
「おっひょぉ〜!」
「まどかちゃん可愛すぎるぞ、俊も見ろよ〜!」
雄大黙ってくれ、俺は今人類の奇跡を見ている。
先程点数のつけようがないと言ったが訂正させて欲しい。
100億点だ。
俺はどんなアイドルの踊りをテレビで見るのよりも、茜がグラウンドでニコニコしながら舞っている姿が何倍も美しく見えた。
神様ありがとう、俺を生んでくれて。
俺の感じていた時間はとても短く儚かった。
「一瞬に感じたな......」
「え?そうか?10分ぐらいあったくね?」
雄大は馬鹿すぎて喩えも分からないようだ。
女子の退場が終わり茜がこちらに駆け寄ってくる。
「ど、どうだった?」
「かわいかったよ」
「ずっと見ていたい」
俺は言ったあとに後悔した。
俺の言葉すごくキモくないか?
「ふふっ、なにそれ」
「めっちゃ嬉しい!」
そんな俺の心配を弾き飛ばすような茜の言葉。
茜はどんな時でもずっと笑っている。
この笑顔を守らなければ。
その後は順調にプログラムが進行していき、ついに体育大会の全プログラムが終了した。
「各団はグラウンドに整列してください。」
放送委員の透き通った声てみんなが動き始める。
「俊もいこう!」
俺は常にぼーっとしているので、またもや茜に声をかけてもらった。
本当に情けないな。
「ああ、今行くよ」
整列が終わると、先生の長々とした話が始まる。
みんなが退屈そうに砂をいじったりしている中、茜は真剣に話を聞いていた。
なんて尊いのだろう。
俺も見習うようにして姿勢を正す。
そしてついにみんなが待ちわびていた、結果発表の時が来た。
体育系の先生が壇上に登り、咳払いをする。
「結果発表を行う。」
「優勝は〜........」
—————
俺の額の茜と交換したハチマキが風に揺れる。
「いやー体育大会楽しかったな〜」
雄大がテントの片付けをしながら呟く。
「まさか優勝出来るだなんてね!」
茜も優しく答える。
雄大は茜からの言葉にあからさまに照れていた。
どっちが可愛いのやら。
そう、俺たちは優勝した。
リベンジスクールライフにおいて最高の滑り出しと言っていいだろう。
「俊が徒競走で1位になってくれたからだね!」
茜がこちらを大きな瞳で見つめる。
「どう見ても雄大の功績だよ」
俺は少し照れながら答える。
実際雄大の圧倒的な身体能力でうちのクラスは助けられまくった。
俺の元に雄大が近寄ってきた。
「おい、俊、お前いつの間に茜ちゃんとそんなに距離近くなったんだよ!」
小声で俺に囁く。
「俺と茜は友達だからな」
そう、俺と茜は友達だ、とても信頼しているし、茜からも信頼されていればいいなと思っている。
「そうか?そんな距離感には見えないけど..」
「ま、いっか!」
「今日はお疲れ!」
雄大はスタスタと帰って行った。
あいつも相変わらず良い奴だ。
俺と雄大の話が終わったことを察して茜が近寄ってきた。
「俊、少し話があるんだけど」
俺はその言葉に少し身をふるわせる。
なぜか言葉に重みを感じた。
「うん、どうかした?」
「俊が良ければなんだけど、2人でお疲れ会しない?」
少し頬を赤らめてその言葉を発した茜はその名の如く、夕日に照らされ、瞳はまるで宝石のように輝いていた。
次回、茜とのお疲れ会!
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