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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

エッセイ

明日は我が身かもしれない重大事件~政治家銃殺事件を受けて考える~

作者: HOT-T

今回はシリアスな内容なのもあって本文は文語調で記させていただきます。

また、政治がどうだのとかそういった思想信条的なものもありません。

文中で紹介された事件の犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈りいたします。

 令和4年7月8日。

 元首相が応援演説中に銃撃されその後死亡するという日本中を震撼させる大事件が起きた。

 夜勤明けで速報を聞いて一瞬何かのフェイクニュースかと目を疑ったものである。


 その後も容疑者宅を捜索していたら爆発物が見つかり住民が避難する事態になるとかもうとんでもない事態である。

 

 亡くなった方については在任中に起きた様々な事件について批判をされることはあったがそれとこれとは別。

 この様な形でいきなり命を奪われていいものではなく本当に卑劣な犯行だと思う。

 民主主義の観点からも恐ろしい事件だ。


 さて、今回は別に政治的な話をするわけではない。

 結局のところ、逮捕された犯人の動機なんてまだわからない。

 政治的な意図があったかもしれないし、それこそ『有名になりたかった』とか『刑務所に入りたかった』とか無茶苦茶な理由である可能性だってある。


 元自衛官だったことで色々な考察がされたりしているがそもそも若い頃に数年在籍していただけという話も出ている。

 それこそ介護施設で1か月だけ働いていた人が数十年後に事件を起こして『元介護士逮捕』とか叫ばれるのと同じレベルかもしれない。なのでそういった不確定な事に関しても特に触れはしない。


 今回の銃撃に関しては今後の政治演説にも大きな影響を与えると思われる。

 何せ、動機などが何であれ政治家たちにとっては『明日は我が身』な問題である。

 S演説中に賊が乱入して来て命を奪われるなんて何だかんだでドラマの世界とばかり思っていたら現実に起きてしまったのだ。しかも国内で。

 SPがついていても防げなかったのだ。

 『自分は大丈夫』と思って気にしない人も居るかもしれないがやはりあんな風に人前に立つ方々にとっては地面がひっくり返るくらいの衝撃だった思われる。

 もしかしたら今度は自分が選挙演説中にこういうことをされるかもしれない。

 今まで、まさかSPがついている状態で、国内で、そして銃撃だなんて可能性はゼロに近いくらいの認識だったがゼロでなくなってしまったのだ。

 


 この事例で犠牲となったのは政治家であったがよくよく考えれば例えばアイドルだとかタレントだってロケなどで街中にて不特定多数の前に立つのでそういったリスクだってあると考えるとやはり『明日は我が身』で震える事態だと思う。

 そこで時折起きて世間を震撼させた事件から『明日は我が身』と思った事を語ってみたい。

 

 様々な事例があるとは思うがやはり凶悪事件系は本当に『明日は我が身』になると思う。

 例えば私が小学生の頃に起きた『神戸児童連続殺傷事件』なんかがそれだ。

 海外ドラマでも『酒鬼薔薇』としてシリアルキラーの例として取り上げられたあれだ。

 

 あの当時は小学校で集団下校が行われて教師達もかなりピリピリしていた。

 現場からは大分離れた町に住んでいたがいつそういった事件に巻き込まれるか分かったものではないのだから恐ろしいものであった。

 それから十数年経って私の地元では小動物の惨殺遺体が相次いで発見されたという話が出た時は不穏な空気が漂ったものだ。

 何せサイコパスが殺人に至るルートに『小動物の虐待』がある。私の住んでいる街では子どもが犠牲になった未解決事件も幾つかあったし時々全国ニュースになる殺人事件も起きていた。

 ヤバくないだろうかという空気だったが結局、イタチの仕業だったのではないかという着地をした。

 こんな感じで『まさかこんな事は無いだろう』と思っている事が一度でも起きれば前例が生まれてしまい時間が経っても人々の記憶に刻まれてしまうのだ。

 地元の事件ではないが『附属池田小事件』もそういった傷を全国の人々に刻んだだろう。

 まさか『校庭に刃物を持った男が乱入して来て児童を殺傷する』だなんて基本的には考えない。

 危険予測自体はするがそれが現実に起きてしまうのとはわけが違う。



 さて、介護現場で働くものとして戦慄が走った事件といえば、虐待系報道などもそうだが私は平成28年の『相模原障碍者施設殺傷事件』だ。これは当時本気で戦慄した。

 知的障碍者福祉施設の元職員が夜中に侵入して入所者19名を殺傷。更に入所者・職員計26人に重軽傷を負わせたという大事件である。


 この事件の舞台は知的障碍者の入所施設だが見方を変えれば老人ホームで起きる可能性とてゼロでは無い事件である。

 私が働いているホームは別に高いフェンスを設けているわけでもない。夜勤従事者は全体で見れば5,6人入るのだが部署ごとに離れており交流はない。

 悪意を持った人間が侵入してきた場合、利用者を守り切れる自信はない。

 セキュリティコードを打ち込まなければ入れない建物も存在するが元職員であればそんなものは簡単に突破できるし私の居る部署なんかはセキュリティコードもくそも無い。

 一応鍵は掛けているが1階のベランダから侵入しようと思えばできるし、ホールの大窓をぶち破れば簡単に入って来れる。

 基本的にこういう事をする人は失うものが無い『無敵の人』状態である事が多いからそう考えると本気で怖い。


 最近だと『母親を生き返らせろ』と患者が医者を殺す事件があった。

 クリニックの患者が放火して自分事患者たちを焼き払った事件があった。

 『盗作された』とアニメ制作会社に放火する事件があった。


 これらもまた、対岸の火事では無く細部が変わっただけで『明日は我が身』な事件だと考えると恐ろしいことである。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ほんとですよね。 いつなんどき、自分にそれが降りかかってくるかわからない。 実は隣人はそんな人だった。なんて知りようもないですからね。
[一言] 明日は我が身。 そうであってほしくはないと思いはするのですが……。
[良い点] こんにちは!HOT-T様、お元気ですか・・・? 確かに、今の世の中は、もうおかしくなっていますよね。 「鬱屈した不満」「自己肯定できない心理状態」「やり場のない怒り」・・・こういう暗い…
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