一話 コンビニ
小説って、書いてるときは大丈夫なのに、あとから見ると恥ずかしい
がんばれ、自分
小雨降る金沢大学角間キャンパス
「葛飾北斎は74歳のときに、画狂老人卍という号に...」
この教授の講義はまったくもって聞く耳を持とうともしない
面倒なのだ、
こんなもの聞いてる暇があったら、家に帰ってソシャゲでもしたい。
自分、佐々木京太は、歴史学を専攻している。
とりわけ、昔から、歴史系は好きで、高校のときは歴史のテストの点数はクラスで一番だったし、
歴史に関しては、得意であった。と、言ったら言い訳になる。
ほんとは、大学は行かなければと思っていたが、とくにやりたいこともなかったので
他の教科の中でちょっとだけできる歴史を選んだだけなのだ。
とにかく暇だ。早く家に帰りたい。
サークルも何も入ってないので、起きる、大学に行く、帰る、バイトするorレポート書く、寝るの
繰り返しで何も面白くない。ちなみにバイトはそこらへんのコンビニだ。
そうやってぼーっとこんなこと考えてたら、この講義が終わった。
さっさと帰宅するのみである。
だが、帰宅するまえに、自分はとある習慣がある。
大学の近くのコンビニでメロンソーダを買うことだ。
ただ、最近はそれも少しばかり面倒になってきてはいるが。
メロンソーダを買うためにコンビニに入ると、元気の無い店員。
このあとおそらく、カラオケかイオンにでもいく1組のカップル。
そして、
「どれにしようかな~、ん~」
タイトなジャケットに、ホットパンツの女。
ドリンクコーナーで座り込むちょっとした変人。
なんだこいつ、と思いながら自分はその変人を避けるようにして、メロンソーダをとった。
すると、いきなりその変人に話かけられた
「ねぇ、君。オススメのジュースはないかい?」
よくみると、その女は花澤香菜に結構にてる清楚系の美女だった。
ここ数年、まともに女と話したことのない自分がなぜか話しかけられたのだ
「オススメなら、メロンソーダ。嫌ならカルピスかな」
自分の好きなやつと、炭酸が嫌いな場合も考えて、カルピスをオススメしておいた。
「なるほどね~、ならファンタのオレンジだぁ!」
やはり変人であったか、そう言って女はレジに駆け込んだ。
一体何だったんだ、そう思いつつも、メロンソーダを握りしめ、レジへと向かった。
家に帰ると、一通のメールが届いていた
差出人は、俺の貴重な高校時代の友人だった
内容は「最近こっちに帰ってきとらんやろ?たまには遊ぼうぜ卍」
一見チャラく見えるが、これでも東大なのだ。
元だが。今は地元で会社起こそうとして必死に資金集め中らしい。
「すまん、しばらくは遊べなさそう。ごめんな」
そうPCに打ち込んだ。すると、すぐに返事が帰ってきた
「ええんやで、帰るときは言ってくれよ」
奴は昔から、返信だけは早い。
そのメールに既読をつけ、俺は夕飯の調理に取り掛かった。