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085

その85です。

 ガサ入れ直前のブリーフィングでも使われた部屋に来た一同は、マエカケさんの淹れてくれた紅茶で一服する。


「あのマエカケって人、何モンなんだよ? 実はおいら、紅茶って砂糖ないとダメなんだけど、これ普通に美味いじゃん」


「俺も紅茶よりコーヒーだけど、これ飲んじゃうとなぁ……」


 タユーと榊は感心しきりだが、答えられるであろう雪郷はニヤニヤ笑うのみなので、疑問は解消されそうにない。真面目にどうにかして欲しい。


 ともかく、一杯のお茶による沈静効果は相当なものだった。タユーも泰地もすっかり頭が仕事モードに切り替わっている。



 さて、と雪郷がPCを立ち上げた。


「まずはこの動画を見てくれ。質問は見終わった後にヨロシク」


 スクリーンに動画再生ソフトが大写しになり、直後に真っ暗になった。その間、何やらぼそぼそと小さな呟き声が入っているが、マイクが上手く拾えていないらしい。


『あー、それじゃあ、これに向かって喋ればいいんだな? よく分からんが分かった』


 若い男の声が明朗に聞こえると同時に、その声の主であろう男の顔が写った。


 煌びやかな古代中国風の衣服に身を包んだその青年は、二十五歳前後であろう目力のある偉丈夫だ。印象としてはヴェリヨを彷彿とさせる。


『私はオーリン。ハセン皇国の第三皇子……あー、すまんが、堅苦しい言い回しは苦手だから、普段通りに喋っていいか? いいんだな。じゃ、そうさせてもらう』


 五秒と経たずにギブアップはどうよ、と泰地はツッコみたかったが、映像なのでスルーしておく。横でコケているタユーも見て見ぬふりだ。




『細かい話をすっ飛ばすと、このまま俺の親父である皇帝に政治を任せていると、確実に国が潰れちまう。だから、お前さんたちが持ってきてくれたネタを使って勇退してもらおうって話だ。耳寄りな話だろ?』




 そんな「教室の扉に黒板消しを仕掛けて、先生を真っ白にしてやろうぜ」くらいのノリで語られても困る、と泰地は頭を抱えた。


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