表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/123

058

その58です。

 これ以上調べるのが怖くなった泰地は、ふと思い浮かんだある単語を検索してみる。



 「裁判戦争」……まったく関係のない項目ばかり。


 「裁判戦争 魔法少女」……上記とほぼ同じ。



(そりゃそうか。ネットで魔法少女が云々なんて話が普通に検索できたら、ウン課の存在だってバレバレだろうし)


 だけど、裁判戦争なる事件は、その手の界隈(どの手の?)では名の通った一大事件だったらしい。例のタユーさんとやらからすれば「知ってて常識」レベルのような言い草だ。


 ゲアハルトはもちろん除外。横北はあれ以上の情報は知らないだろう。雪郷はストレスを蓄積させる方向で説明してくれるのは明白なので却下。ヴェリヨは……なんとなくだが適当な説明だけで終わらせそうな予感しかしない。



 ならば残った選択肢は、頭上の誰かさんなのだが――



(さっきから不気味なくらいなーんも喋らないところから考えると、本当に何も知らないか、もしくは……)


 一応、念のために尋ねてみたところ、回答は予想どおりだった。


「いまのくらには知らないでもいい知識なのだ」


「いや、一応は関係者とお知り合いになったんだから、礼儀として少しは知っておいた方がいいんじゃないですかね?」


「端的に言ってしまえば、時間の無駄なのだ。言葉を飾ってはいるが、あんなのは戦争でも何でもないのだ。あんな恥ずべき騒動から得られるものなど何もないのだ」


 完膚なきまでに否定されてしまった。


 魔王サマにそこまで断言させるほどの騒動とは何だったのか、逆に興味が出て来たのだけど、もう喋る気はないらしい。残念だが諦めるしかないようだ。


(それにしても、今日会った面子はどれもこれも濃かったな。日本社会って、そんな人間でないと生き残れないって話じゃないよね?)



 イヤすぎる想像が大脳の過半数を支配する前に、泰地はPCの電源を落とした。願わくば、明日は何事もなく過ごせることを――なんて甘い考えは、メールの着信音であっさりと圧潰されてしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ