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040

その40です。

「ところで、挨拶ってどこを回るんですか?」


「最初に事務所へ一応顔を出して、あとはレッスン場へ行って先生方に会って、テレビ局やラジオ局も回って、懇意にしてもらってる芸能事務所なんかも時間があれば――って感じかな」


 泰地の質問に、横北はよそ見せずにすらすらと答える。運転中である上に、この程度は覚えていて当然なのだろう。



 とはいえ、日本に来て間が無く勝手の分からないゲアハルトのためにも、泰地は少しばかり過剰なくらいに反応しておくべきか、と質問を重ねる。


「レッスン場は分かりますけど、テレビ局とかって早過ぎませんか?」


「普通に考えれば、まだ実績どころか練習すらやってない素人には用はないね。でも、ゲアハルト君はそのルックスだし、ルデル様は芸能界がほっとくキャラクターじゃないし」


 そうなんですか、と自覚がないゲアハルトと完全に寝入ってしまっている魔王サマ。これに自分が関わってないなら素直に応援する気になるんだがなーーと少年は苦笑した。



 相手の表情に何かを感じたのか、横北はフォローするように言葉を続けた。


「まあ、一番の理由はUN芸能事務所のレゾンデートルだね」


「レゾンデートル?」


「ほら、ウチって今はマエカケさんしかタレントがいない状態になってるから、どうやって社員に給料払ってるんだって怪しまれかねんでしょ」


「ああー……」


「今のところは、東京に本社があって、豊浜に進出して足場固めをしている――って体にしてるんだけどね。さすがにそろそろ苦しくなってきてるって感じ」



 イヤでも納得できてしまった。モノになるか云々なんて検討する以前の問題だったのだ。


 アリバイ作りの意味でも急いで新人をでっちあげねばならないところに、かなり有望な人材が転がり込んできた、と。ぶっちゃけた話をすれば、本業は公安警察なのだから、逆に必要以上に売れてくれてしまうと支障が出てくるから困るのかもしれない。



「おそろしく行き当たりばったりですね」


「公務員だろうが民間の会社だろうが、上の連中が適当な指示しかしないのは珍しい話じゃないさ。雪郷さんも胃腸薬が手放せないって話だからね」


「いや、そりゃ嘘でしょ」


世間では10連休だそうですね

どこの世界かは分かりませんが

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