蟹、イカ、鮪、エビ、大将、物語
カニがいた。
カニは腹を空かしていた。
鮪がいた。
鮪がカニに誘惑した。
「おい、蟹!この卵酒をくれるよ。」
鮪がカニに、卵酒を渡したが、カニは拒んだ。
「俺、まだ未成年だしー。」
カニは、その場を去ろうとした。
カニの親父が来た。
鮪は恐れた。
「ど、どうぞ。」
鮪は、卵酒を放り出し、さっさと海に帰って行った。
カニは親父に言った。
「と、父ちゃん!」
カニの親父は卵酒をのみはじめた。
「う、うめぇ。」
バタ
カニの親父はその場に倒れた。
ぐかー
カニの親父は、居眠りを始めた。
カニは親父に毛布をかけてあげた。
「父ちゃん、風邪を引くな。」
鮪がやって来た。
「おい、蟹!これを飲め!」
鮪は甘酒を差し出した。
カニは甘酒を飲み始めた。
楽しくなったので、仲間を呼んだ。
蟹が大量に海から陸に上がってきた。
寺泊の海からやって来た蟹たちが宴会を始めた。
「おおーい、もっと酒だー!」
カニが甘酒を要求する。
「へいへい、お待ち。」
鮪が甘酒を持ってきた。
蟹たちがストローで、甘酒を飲んでいた。
イカが来た。
「おい、俺たちも混ぜてくれよ。」
このあたりで、有名なイカの大王。
「へいへい、お待ち。」
鮪が甘酒を持ってきた。
「ごくごく、かあー、うめー。」
イカはイカ墨を吐いた。
そのイカスミが、芸術的な絵を作り上げた。
大将が来た。
「こ、これは!」
大将はスマホでイカスミの絵を何枚か撮った。
カニがしゃしゃり出た。
「おい、大将!それは俺の物だ!」
大将は逃げた。
「ちっ、まあいイカ(いいか)、なんちって。」
カニは自分のギャグに感心して、大将を逃した。
「酒だ、酒だー!」
カニたちは、朝まで飲み明かし、全員海に帰って行ったとさ。