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彼女と私は双子ではありません

彼女と私は双子ではありません

作者: 雷ライ

誤字脱字に注意してください。

急展開で進みます。

少し嫌な表現があります。



主人公には恋人がいます。


そのほかを含めなんでも大丈夫な方のみお読みいただけると嬉しいです。


藤沢初雪ふじさわ はつゆき双子の妹に対する非道な行い、たとえ白雪しらゆきが許しても俺が許さない!愚か者が!恥を知れ!」


午前の授業が終わり、昼ごはんを食べるために向かったカフェテリアで、突然名前を呼ばれたかと思ったら罵られた。


私を罵ってきた男子の隣には妹の白雪が立っている。


さらにその周りにいる男女は皆、学園での人気が高い人物ばかりだ。


「………………はぁ」


思わずため息が出てしまう。


私がわかることはこれが白雪の仕業であるということだけだ。




私と白雪小さい頃からずっと一緒だった。


生まれる前からそばにいて、生まれてきてからもそばにいるのが当たり前の存在だった。


大好きで大切な存在だった。


母が亡くなってしまうまでは。




母が亡くなってから父は仕事に邁進していた。


一人で私たちを育てなくていけないと切羽詰まっていたのだろう。


寂しくなかったといえば嘘になってしまうが、兄妹がいたことでそれは緩和されていたと思う。





11歳の時に私たちの関係変わってしまった。


父が海外への転勤を命じられたのである。


最初は父についていく予定だったが、白雪が嫌だと駄々をこねて、私と白雪は母方の祖父母に預けられることになった。


この時点で少し嫌な予感はしていた。


母方の祖父母は表向きは私と白雪を同等に扱っているかのようであったが、やはり母に似ている白雪の方を可愛がっていた。



なんて事のない普通の日だった。


いつも通りに白雪とおやつを食べていた。


先に食べ終わったは白雪が突然ワッと泣き出した。


「わぁーーーん!」


それに驚いたのは私だけでなく祖母も驚きながらキッチンからリビングへとやって来た。


「あらあら、どうしたの白雪ちゃん」


祖母がそう言うと同時に白雪は祖母に抱きつく。


「はーちゃんがしーのおかし食べたのぉ」


白雪は瞳から涙をいっぱい流して祖母に言う。


「えっ」


私は驚愕してしまい声が出なかった。


白雪のお菓子は白雪がきっちりと自分で食べていた。


私はこの後祖母にさらに驚愕した。


「まぁ!そうなの白雪、それは可哀想に」


そう言って私のことを睨んできたのだ。


正直、このババアなんで私の言い分聞かないで私がやったと決めつけているのだと思ってしまった。


「初雪!白雪のお菓子食べちゃダメでしょ」


そう言って私の分であるはずのクッキーを私から取り上げる。


「違う!私白雪の分なんて食べてない!」


私がそう言って祖母からお菓子を取り返そうとするが、


「はーちゃんなんで嘘つくの。それしー分だよ」


と言って白雪は瞳に涙を溜める。


「なら初雪は白雪が嘘をついたと言うの?そんなことがあるはずないでしょ。さぁ白雪あっちでお菓子食べましょ、初雪はそこで反省なさい」


祖母は一方的に言いながら白雪の手を引きキッチンへと戻っていった。


これが最初の出来事。


これ以降も2人で半分となると白雪はあの手この手を使い私の分を奪っていった。


そうすることで私には妹のものを奪う姉というマイナスのイメージがついてしまった。


祖父母も私の言い分は一切信じず白雪の味方をする。


中学1年のときに祖母から言われた言葉は今でも夢に見る。


「なんで私はあなたなんかの面倒を見なくてはいけないのかしら。居なくなってくれたらいいのに、孫は白雪一人で十分だわ」


最悪だと思った。


この言葉を聞いてから私は白雪と祖父母とは距離を置くようになった。


父は気づいたら昇格していて前より忙しくなり家に帰れなくなっていたので、祖父母の家から出ていくことはできなかった。


中学2年のときには学校での味方もいなくなる。


白雪に何かあるたびに全て私が悪いということになっていた。


幸いなことは私と白雪には学力に差があったので、私は特待生制度がある中の上くらいの高校への進学を決めた。


白雪ではこの高校は無理だと思っていた。


そう思い何も考えずリビングで学校案内を見ていると、白雪がうしろからのぞきこんできた。


そして目をキラキラさせながら


「この制服すっごく可愛い!はーちゃんこの高校いくの?」


と言ってきた。


「その予定だけど……」


私がそう返事すると


「いいなぁ〜、しーもここがいい。こんな可愛い制服着て見たい!」


そう言い始めた。


「白雪の成績じゃ少し厳しと思うけど」


思わず言ってしまう。


「何言ってるのはーちゃん!まだ中3は始まったばかりよ!おばあちゃんに頼んで家庭教師つけてもらうか、塾に行けば私だって行けるわよ」


そう言って私が持っていた学校案内を奪い、祖母に交渉に行ってしまった。


飽きっぽい白雪のことだから本当に同じ高校に来るとは思っていなかった。


確認しなかった私も悪かったが、入学前登校であった時はびっくりした。




そして現在、入学してから1年が過ぎようとしていた3月のカフェテリアてある。






「うぅ、はーちゃん私が何をしたっていうの!そんなにはーちゃんに嫌われるようなことした!」


白雪が瞳に涙を浮かべながら言う。


「そうだぞ!何故そんなに双子の妹を嫌う必要がある!」


「そうよ!」「そうだよ!」


白雪を庇うように立つ男子と、白雪周りを囲む学園の人気者たちが声を上げる。


「…………私のことが嫌いなのは白雪の方でしょう?」


ずっと疑問に思っていたことがつい小声で出てしまう。


「いや、それより私と白雪は双子ではないよ」


これは周りが勝手にずっと誤解していることだ。


「何を苦しい言い訳しているんだ!貴様と白雪が双子であることは周知の事実だろう!」


さっきから話しているこいつは一体誰なのだろう?


「誰が双子だと言ったのよ?」


「そっそれは…………」


どもって黙った。そうなのだ、私も白雪も一言も自分は双子だとは言っていない。


「思い込んでただけでしょう?同じ苗字で同い年、名前も一文字違い。小学校も中学校も一緒だから」


いつものことだ、冷静に答える。


「確かに私と白雪は同じ日に同じ母親から生まれた。

でもそれは私たち2人だけじゃない、もう1人いるのよ」


そう、もう1人いるので私たちは三つ子なのである。


「なっ!そんなの聞いたことがないぞ!」


白雪の周りがザワザワしだす。


その先に白雪に向かってスマホでメッセージを送る。


姉妹であることは確かなので連絡先くらいは知っている。


淡雪あわゆきって言う男がいるのよ、ねぇ白雪」


私は白雪を見つめる。


淡雪は藤沢家の長男で父の転勤について行っていたのであまり認知されていない。


どこか悔しそうな白雪と目が合う。


白雪が頷いたのを確認してから私は言う。


「私、お昼ご飯食べたいの。だから、この話はこれでおしまいね」


食券もういいの残っていないだろうなと思いながら


「おい!待て!まだ、話は終わってないぞ!」


健斗けんとくん、もういいよ。私は大丈夫だから。みんなのお昼休み邪魔したら悪いし」


男子生徒の怒鳴る声と白雪のなだめる声を聞き流した。






「一気に有名人だな【氷女ひょうじよ】」


そう言いながら放課後私の自習している教室に入ってきた1人の男子生徒。


「その呼び方嫌だと何回言ったら理解できるの?」


彼を軽く睨みながら言う。


「睨むなよ、怖いなぁ。俺一応はお前の恋人なんだけど」


そう言って肩をすくめるのは、確かに1つ上の彼は恋人の篠沢壱耶しのさわ いちやである。


彼は私の前の席に座った。


「どうしたの?先に帰るって言ってたじゃない」


壱耶はこちらを見つめて動く気配がないのでつい聞いてしまった。


「よく頑張りました」


彼はそう言って私の頭を撫でる。


「なにが?」


私にはからの言葉の意味がわからない。


「久々に妹に絡まれて疲れた顔してるぞ」


「うそ」


確かに白雪に絡まれたのは久々だが、疲れたという感じはなかったので彼の指摘につい顔を触ってしまう。


「今日ウチに泊まりに来い。俺の母さんもお前に会いたがってるし、今日真っ直ぐ自分ちに帰らないだろう」


見透かされていると思った。




壱耶と出会ったのは中学2年生春のときで、家に帰るのが嫌で公園で時間を潰していたときだ。


いや、正しく言うとここで彼の母親である沙耶子さやこさんに出会った。


保護という名目で家に連れて行かれてに彼に会った。


その後も何回か家にお邪魔しているうちに壱耶とも仲良くなり、彼と同じ高校を志望した。


高校に入学してから私から彼に告白して付き合うことになった。




「沙耶子さんに会いたいから行く」


私がそう言うと壱耶は優しい瞳をこちらに向けてくる。


それが恥ずかしくてつい顔を背けてしまう。


「じゃ、帰るぞ。それ片付けろ」


そう言って立ち上がる。


私が荷物を片付け終わり教室を出て生徒玄関に向かう。


靴を履き替えて生徒玄関を出ると


「ほら」


そう言って壱耶は私の方に手を出す。


手を重ねて歩きだす。


「今日の夕飯なんだろうな」


「沙耶子さん料理上手だからなんでも美味しいよ」


そんな会話をしながら2人で並んで歩く。



白雪との問題はまだなにも解決していない。


今回のことで私の評判はさらに悪くなるだろう。


それでも壱耶や沙耶子さん、父さんに淡雪と私の味方が完全にいないわけではない。



「明日が休みで本当に良かったな。家でゴロゴロしようぜ」


ここでどこかに出かけようと提案してこないところが本当に好きだ。


「うん、そうだね」


取り敢えず白雪のことは一旦忘れて、今日の夕飯と明日の予定について考えることにした。



何にも解決してないです。


三つ子の真ん中・淡雪あわゆきと父親、沙耶子さんも登場する予定でしたが名前しか出せませんでした。


白雪しらゆきももっと喋る予定だったんですが話せませんでした。


初雪はつゆき壱耶いちやは高校から付き合っていますが、中学の時から両思いです。


初雪は若干ひねくれているためすぐに告白しても信じてくれないと壱耶が待ってくれていました。


白雪を除く藤沢家と篠沢家は挨拶は済ませてます。


父親同士は挨拶を機に仲良くなりました。


初雪と淡雪は父親に似ています。




白雪は白雪で自分に自信がありません。


母親が亡くなってから自分だけ父親に似ていないことを気にしています。


「1人だけ顔違うわね」と言われてきた影響です。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 消化不良です。 物語がまだ始まっていない感じ。
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