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99回告白したけどダメでした  作者: Joker
生徒会と学校行事
266/297

263話

「生徒会長! 居ますか!」


「ん? どうした?」


 入ってきたのは三年の女子生徒だった。

 

「ふ、不審者です! 怪しい男が学校に!!」


「なんだって! 玲子ちゃん頼む! 不審者怖い!」


「会長は貴方です、いきなさい」


「えぇ・・・・・・でももし刃物とか持ってたら・・・・・・」


「その刃物を持ってるかも知れない不審者のところに私を行かせようとしたんですか? 行きなさい」


「はぁ~分かったよ、職員室行って先生にも

知らせてくるよ。皆は生徒会室に居てくれ」


 徹はそう言うと、女子生徒と共に生徒会室から出て行った。

 

「不審者ですか・・・・・・怖いっすね」


「まぁ、会長も行きましたし、そのうち校内に放送も流れるでしょうから、直ぐに見つかりますよ」


「それもそうですね」


 誠実と栞がそんな話しをしていると、またしても生徒会室の扉が開いた。


「お嬢様!!」


「あら? 義雄さん? どうして学校に?」


「お忘れ物を届けに来たんですが・・・・・・なんだ、貴様も居たのか害虫め・・・・・・」


「さっきはよくもやってくれましたね、この野郎・・・・・・」


 生徒会室に入ってきたのは、栞の家の執事である義雄だった。

 

「あぁん? まだ生きておったのか? この害虫は? 今すぐミンチにしてやるわい!」


「こっちの台詞だこの野郎! さっきはよくもバカ共と一緒に殴ってくれたなぁ!」


「やかましいわこのボケが!! それよりお嬢様から離れろ!!」


 誠実と義雄が言い争っていると、栞が笑顔で義雄に言ってきた。


「義雄さん」


「お、お嬢様? な、なんでしょうか?」


 栞の重たくゆっくりとした声に、義雄は体をビクッと震わせる。


「ここは生徒会室ですよ? 他の方に迷惑になります、これ以上続けるのなら出ていきなさい」


「も、申し訳ありませんでした・・・・・・」


 まさに鶴の一声だった。

 栞の言葉一つで義雄は大人しくなった。


「はぁ・・・・・・まったく、いつも冷静なのに、どうして誠実君にはそんな態度なのですか?」


「そ、それはその・・・・・・お嬢様の事を思って・・・・・・」


「私の事を心配して下さっているなら、なるべく学校に迷惑を掛けないで下さい!」


「は、はい! 申し訳ございませんでした」


 義雄はそう言って栞に頭を下げ、当初の予定通り、栞に忘れ物を届ける。


「では、私はこの辺で・・・・・・またお迎えに参ります」


「はい、分かりました」


「それでは皆様失礼しました・・・・・・」


 そう言って、義雄が生徒会室を後にしようとしていると、先程出て行った生徒会長と女子生徒が戻ってきた。


「どこに行ったんだろうな? 不審者・・・・・まぁでも先生にも知らせておいたし、大丈夫だろう?」


「はい・・・・・・そうですよね・・・・・・って! 居た! 不審者!!」


「え?」


「む?」


 入ってきた女子生徒が、義雄を指さしてそう言った。

 義雄は動揺に弁明する。


「ご、誤解だ! わ、私は・・・・・・」


「嘘です! さっき奇声を発しながら、男子生徒を追いかけてるのを見ました!」


「あぁ・・・・・・俺を追いかけてる時か・・・・・・」


 誠実は自分を追いかけて来たときの義雄を思い出し、彼女の言葉に納得する。


「不審者だと!」


「生徒会室か!」


 女子生徒の声を聞き、生徒会室に男性教師が集まってきた。


「い、いや私は・・・・・・」


「ちょっと、来て貰いましょうか?」


「大人しくしなさい」


「え! いや、だから私は・・・・・・お、お嬢様ぁぁぁぁぁ!」


 義雄は体育教師二人に腕を掴まれ、そのままどこかにつれて行かれた。

 栞はそんな義雄を見てため息を吐く。


「すいません・・・・・・少し言ってきます・・・・・・」


「お、おう」


「栞さんも大変ね」


「え? 何? 不審者って栞ちゃんとこの執事だったの?」


 栞はため息を吐きながら、生徒会室を後にした。


「大変そうだなぁ・・・・・・」


 誠実はそんな栞を見ながら、そんな事を思っていた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 細かい誤字も気になるけど、そもそもこの物語の軸は幾度も告白してそれを断り続けた二人が主軸でだったはずなんだけど… その肝心の準主役であろうはずのメインヒロインがすっかり出てこなくなって…
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