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99回告白したけどダメでした  作者: Joker
みんなのお休み
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247話



 翌朝、誠実が朝目を覚ますと何故か隣で美奈穂が寝ていた。


「ん……うぉっ!!」


 目を開けた瞬間に美奈穂の顔があり、誠実は驚いて思わず飛び起き、そのまま後ろに下がった。


「な、何なんだこいつ……」


 俺は美奈穂の顔を見ながら、ため息を吐き、立ち上がって部屋をでる。


(何、妹にドキドキしてんだか……俺はアホか……)


 そんな事を考えながら誠実はリビングに向かう。

 いつもより早く目が覚めてしまい、リビングにはまだ誰も居なかった。


「はぁ……二度寝するのにも中途半端な時間だしなぁ……」


 時計を見ながら誠実がそんな事を考えていると、母親である叶がリビングにやって来た。

 

「あら? 随分早いわね」


「あぁ、床の寝心地があんまりに良くてね」


 母親にそんな皮肉を言う誠実。

 

「妹なんだから優しくしなさい」


「へいへい、兄貴はつらいよ……」


「そりゃあ、アンタはお父さんの遺伝子を受け継いでるからね」


「母さんは親父が好きなの? それとも嫌いなの? 時々わからなくなるよ」


 叶は誠実と話をしながら、朝食を作り始めた。

 誠実はソファーに座って、とりあえずテレビのニュースを見始める。

 少しして美奈穂も起きてきた、美奈穂は誠実が先に起きていることに驚いていた。

 

「あ、あれだからね! と、隣で寝てたのはべ、ベッドから落ちちゃったからだからね!!」


「え? あ、あぁ……」


 何故か自分がベッドの下で寝ていた事の状況説明を始める美奈穂。

 別に誠実は何も聞いていないのだが、美奈穂はなぜか真っ赤な顔で誠実に説明する。

 その後、登校している時も美奈穂は今朝の事をずっと話ていた。


「いい! 勘違いしないでよね!」


「はいはい、分かってるっての……」


 そんな話をしているうちに、誠実と美奈穂は別れた。

 教室に入ると、満面の笑みの沙耶香が誠実に声をかけてきた。


「おはよう、誠実君!」


「お、おうおはよう……」


 この前の事は全然気にしていない様子の沙耶香に少し安心する誠実だが、昨日の電話の事を思い出し、何か言われるのではないかと少し不安になる。


「テストは大丈夫そう?」


「あ、あぁ多分大丈夫だと思うけど……」


「そっか、ねぇ今度の休日は暇? また私の家に来ない?」


「あ、いや実は今週の土日は美奈穂と出かける用事が……」


「ふーん……そうなんだ……じゃあ、また今度来てね、約束だよ」


「あ、あぁ……」


 なぜかわからないが、沙耶香の今日の勢いがすごかった。

 誠実はそんな沙耶香の勢いに驚きながら、自分の席に座る。

 すると、今度は武司と健が誠実に元にやって来た。


「お前、前橋と何かあったのか?」


「ん? あぁ……まぁ……」


「なんだか昨日とは打って変わって、前橋は積極的だな」


「ま、まぁ……いずれ話すさ……それよりも今日の放課後だよな? 新聞部に行くの」


「あぁ、気は進まないが約束したし」


「うむ、まぁ仕方ないだろ」


「健はともかく、武司は結構ノリノリだったよな?」


「お前からは言われたたくねーよ!!」


 今日はテスト最終日、結局誠実は二日目もそこまで問題は解けなかった。

 テストの結果に不安を持ちながらも、とりあえずはテストが終わった事に解放感を感じていた。

 そして、放課後……誠実たちは新聞部の部室に来ていた。


「良く来たわね!」


「先輩早いっすね……」


「当たり前でしょ! さぁ! 早速作戦会議を始めるわよ!」


 部室には目をキラキラさせた新聞部の部長、吉田暁美が待っていた。


「まずは、現在新聞部が置かれている状況をおさらいしましょう!」


「確か今は愛好会でしたよね?」


「部員が部長一人だから愛好会になったんだろ?」


「それで、部長は部費が欲しいから部に昇格させたいと」


「よくわかってるわね、三馬鹿! ご褒美にお姉さんが頭をナデナデしてあげるわよ!」


「「「結構です」」」


「おい、なんでわざわざハモった……」

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