破壊の神、シオニクス様登場!!
王国を出てから、もう何分経ったのでしょうか…。武器のリコーダーを握り締めて、思います。
「きゃあ!?」
な…何ですかこれ!!ちっちゃくて赤い髪をした女の子が、私の周りをくるくる回っては、
「きゃー、きゃー」
と、言っているのです。
昔、本で見た事があります。サラマンダーという、女の子の姿をした精霊が、助けを求める時に使う信号です。
あれ…?向こうの方で、木々を破壊する音と、亜人特有の『線』がかかった声が聞こえてくるのですが…。
「『縛りのプロローグ』」
♪♪ ♪♪ ♪♪♪ ♪♪
攻撃してみました。見ると……ああー!!亜人だー!!
「何をする!!」
「え…えっと…」
やばいです。今まで1年間病気でお城にずっと閉じこもっていたのが仇になりました。社交関係が全く築けなくなっています。
勢いで、『縛りのプロローグ』解除しちゃいました…。もうほんと最悪…。
「いやあああああああああああああ」
===============================================================
なんか、ソリミアが勝手に亜人とっ捕まえて、悲鳴上げているんだけど…。
「どうしたの?」
「おのれ・・・!」
ウワーナンカイッテルーコワイナー。
「えっと…誰ですか?」
尋ねてみる。答えないと…
「我が名はシオニクス!!この平凡な森に、「コウフン」を与えてやったというのに、何だこの失礼な娘は!!」
答えた!?完璧に、答えない流れだよね!?
「えっと…貴方…「興奮」の意味分かってる?」
とりあえず問う。
「それくらい、どんなガキでも分かる。恐怖で叫んだり、怒ったりした事だろう?」
馬鹿だ。
「*「一般的に、嬉しい感情を抑えきれずにそわそわする事を指す場合が多い」ので、全くとは言いませんが違います」
と、答えを言うと、
「なに!!じゃあどういう意味なのだ!!」
と逆切れ。こういうタイプの人は、誰からも話しかけられなくなるので注意しましょう。
というか、意味言ったら「どういう意味なのだ」と逆切れするのは、基@外と言われ嫌われるのでやめましょう。
「だから、(*くりかえし」
と伝えると、なんかわなわなしてる。
「ぐぬう…このお!!」
「いやああああああ!!!」
なんか襲ってきたー!!
=============================================================
む、なんか悲鳴が聞こえてきた。しかも、聞き覚えのある声が聞こえるな。まさか、またあいつか?
「なんじゃ、騒がしい」
「あ、シルフ!!お願い助けて!!」
やはり、シオニクスか…。やつの、魔法と剣術のバリエーションは、結構避けにくいからの。
「そいつは、わらわの森を襲った事があるやつじゃ。わらわが撃退したが、まだ懲りんか」
やはり、本気を出さなければいかんか―――。
「『ファイアアロー』」
「なっ…。わたしは炎が苦手なのだ!!とっとと消さんか!!」
「消すならコレじゃ、『ウォーターアロー』!!」
「うわああああああっ!!」
ウォーターアローは、冷たい上に氷がちらほら混ざっているからの。痛いに決まっておる。
そして、とどめの矢を放とうとした時―――
「奴隷共、出て来い!!」