アーシィの探し物
アーシィが名乗り終わると、ドアの外から音が聞こえてきた
「ハジメ兄、ハーブティのお替りまだいる~?」
タイニーがポットを持ってアリアの部屋に入ってきた
「ハジメ兄?」
アーシィがタイニーの言葉に首を傾げていると、タイニーが急に立ち止まってた
「わあ、この子がさっきの子?」
持ってきたポットを近くにあった机に置き、タイニーはアーシィに近づいた
「元気になった?」
タイニーの言葉に驚きつつも、アーシィは返事をした
「はい、元気になりました」
突然入ってきたタイニーに怒ることもなく、アーシィは笑顔を向けた
「そ、そっか・・・」
タイニーの顔が真っ赤になっているのを見て、僕は気づいた
はは、もしかしてタイニーはこの子に惚れてるのかな?
タイニーとアーシィのやり取りを僕たちは見ていた
「それで、君は土の国の人なんだね?」
タイニーが空になっていたカップにハーブティを注ぐと、アーシィはカップを手に取った
「はい、そうです」
ハーブティに口付けながら言う、アーシィにタイニーは一番の疑問をぶつけた
「じゃあ、なんで土の国にいなくて、海に流されていたの?」
タイニーの疑問に対し、アーシィは押し黙ってしまった
タイニー、まだ体力が戻っていない女の子にそんな一度に聞くのは・・・
と思っていると、アーシィが顔を上げ、タイニーにすがりついた
「タイニーくん、ハジメさん、アリアさん、全て話しますからお願いです、私を助けて下さい!!」
すがりついたアーシィにタイニーが目を白黒させているうちに、説明は進んだ
アーシィは土の国の住人で、探し物をしていたという
その探し物を見つけるために、一年前に故郷の街を出て一人旅をしていたらしい
けれど一年間の間、街を転々とし、旅を続けてきたが探し物は一向に出てこない
もう無いのだろうかと彼女が思った時だった
その探し物があるという情報が彼女の耳に入ってきたみたいで、そこに向かっていった
教会の中にある女神像の手にかかっていると言われているものを見に教会のドアを開け入ったところ、何者かに襲われ、気を失ってしまったということだ
そして、気がつくとここのお風呂に入っていたという話だった
「後、もう少しでネックレスが手に入ると思ったのですが・・・」
悔しそうな表情のアーシィの言葉に僕は引っかかった
うん、ネックレスだって?
僕は水の国を出発する前の服屋の前で、ジェルに渡されたネックレスのことについて思い出していた
「もし、土の国に行くのであればこれを」
そう言って僕に琥珀色のペンダントを渡してくれた
「これは?」
僕が訊ねると、ジェルさんはお守りですという
「私の代わりにそれを土の国の加護者にお渡しください」
とか言っていたような
そういえば、この子の瞳の色は液体の色と同じだったような気がする
僕が頭をめぐらしていると、タイニーの服をアーシィが掴んでいた
「もう時間がないんです。早く探し出さないと」
タイムリミットが近いんです!と言ってタイニーを揺さぶっている彼女に、僕は話しかけた
「もしかして、そのネックレスっていうのは琥珀色の液体が入っていたりしませんか?」
僕の言葉に反応した彼女は、タイニーの服から手を離し、僕の方に向いた
「ええ、そうですよ。でも、あなた方に詳しく話していなのによくお分かりになりますね」
アーシィの疑問は最もだったが、僕には心当たりがあった
「ちょっと待っててくれますか?」
そう言って僕は自室にあるリュックを確かめに出て行った
自分の部屋のドアを開け、机の上に置いてあるリュックに手を伸ばす
あのネックレスは袋に入れていたのですぐ分かった
これかな?
僕が袋から開けて取り出してみると、琥珀色の液体が太陽の光に照らされていた
僕はそれを手に持ち、急いでアリアの部屋へと向かった
ドアを開けて入り、アーシィのもとへと急ぐ
「これじゃないですか?」
僕が手の平にのせて見せると、アーシィの琥珀色の瞳が輝いた
「それです!!」
どうしてあなたが持っているんですか!?と聞かれたので、答える
「水の国でレストランの支配人をやっているジェルって言う人が、土の国の加護者に渡せって言われたんですよ」
それで、という僕の言葉に耳を傾けているアーシィに質問を投げかける
「アーシィ、君は土の国の加護者と言うことで間違いないかな?」
僕の言葉に部屋の音が一切なくなった
そしてその後、タイニーとアリアの声が辺りに響いていった
「うそでしょう!?」
「そんなはずはないよ?」
聞いていた二人が信じられないと言う風な表情をしている
「どうして信じられないの?」
二人に問いかけると、同じ答えを言ってきた
「「こんな小さな子が土の国の加護者だなんて」」
信じられないよと言う声がこだましている中、僕はネックレスの中にある液体と彼女の瞳を見比べる
全く同じ色だ
僕は琥珀色の瞳を持つアーシィの目の横に持って行って、色を二人に確認させた
「ね、同じでしょ」
僕の行為に対し、二人は口をあんぐりと開けていた。
ジェルに貰ったネックレスはここで使うことができました。土の国の話も頑張って書きます。
この物語は今4分の2に到達するかしないかぐらいのところにあります。
よろしければ、今度の火の国で使えそうな人物の名前とかを考えていただけたらいいなと思っています。
でも、読者の方との交流とかはどうやって行えばいいのか私には分かっておりません。話してくれる方とかがいて下さったら、もっとこの小説が充実したものになるのかなと思いました。
だから、もし、私と交流していただける場合は、ただいまその方法を模索中ですので、少々お待ちくださいね。




