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積み木の世界  作者: レンガ
~ 土の国 ~
92/189

ビート板

 「風の力で飛ぶことはできても、水の中で風の力を使うことはできない、ってことなのかな?」


 僕が確認の意味を込めてタイニーに聞くと、うんと言ってくる


 「そうなの、ハジメ兄。いくら風の加護者だからといって、風の力で水を跳ね除けたり、火を消したり、土を掘ったりすることはできないんだ」



 だから、万能じゃないんだよと言っているタイニーの今までの言葉を整理する



 風の加護者であるファイは風の力を使うことができる


 けれど、その力は風限定的であって、他の国が得意とする力は使うことができない


 ファイの場合は風が吹いている中や走り回っている間、そして風に関係するものの傍でしか風の力を使うことができないということだ



 他の国においても同じことが言える



 水の国では水の中や水に近いところ、水に関連するものを使い、水の力を使用することができ、


 土の国では地面に足がついた状態や土に関連するものをもつことによって発揮するという


 そして、火の国では太陽の光による熱や炎、火に関連するものが傍にある状態によってのみ発動できるということだ




 だから、その国によって使える力が異なってくるのか



 タイニーの言葉に納得し、僕はタイニーが淹れていたハーブティを両手で受け取った



 はちみつ入りの甘いハーブティは、考え過ぎて疲れていた僕の頭を優しく癒してくれた


 「うん、マスターに負けないぐらいおいしくなったわね」


 傍で飲んでいるアリアがタイニーに言っていると、



 「負けないぐらいって何?当然だよ、僕だって研究するんだから!!」


 そう言って、二人は火花を散らしていた



 「おお、うまくなったんじゃないか」


 リドはその二人を眺めながら、ハーブティを飲んでいる



 「ああ~、うまいうまい」


 ヒックと言いながら酒とハーブティを交互に飲んでいるデニーさんの評価は、ほとんど意味がないんじゃないのか?



 そう心の中でツッコみながら、僕はハーブティを飲み干していた











 遅めの夕食作りにリドが取り掛かっている間、タイニーと僕、アリアは海へ泳ぎに行こうということになった



 ただ、泳いでいる間にもこの船は車並みのスピードで進んでしまう



 そのことを二人に言い、やめた方がいいのではと提案したのだが



 「「フネのスピードを緩めればいいじゃない」」


 ハジメならできるでしょ?

 ハジメ兄ならできるよね?



 そう言う二人の言葉に、僕はなくなく海へと繰り出すことになった




 



 積み木で船のスピードを緩め、先にテラスへと向かった二人の方へ赴く



 船が先ほどよりも小さな水しぶきをあげているだけで、それ以外の変化はこの海にも、船にもなかった



 「ハジメ~、早く」


 テラスから聞こえてくるアリアの声にせかされて、僕はレストランの周りを通ってテラスに入った


 そこでは靴を脱ぎ、準備している二人が見えた



 「ハジメ兄!!僕と競争しようよ」


 タイニーが僕の服の袖を引っぱってくる



 そのタイニーに対し、アリアはとんでもないというように首を横にふる


 「ダメよ!ハジメは泳げないんだから」


 アリアの言葉にタイニーは驚いていた



 「ええ!?ハジメ兄は泳げないの?」


 首を傾げているタイニーに僕は頷いた


 

 「そうなんだ。だから、今までアリアに泳ぎ方を教えてもらっていたんだ」



 僕の言葉にアリアは嬉しそうに胸を張っていた


 「そうなのよ!ハジメには私が、みっちり教えてあげるんだから!!」


 ねっ、と言う風に見てくるアリアに僕は苦笑していた




 今度は溺れないようにしないとな



 僕はアリアの嬉しそうな顔を横で眺めていた







 タイニーとアリアが順に海の中に飛び込んでいく


 

 その後を僕がそろりと入るように追う



 タイニーは水の中に入った途端、水の中を潜って泳ぐのを楽しんでいた


 「ハジメ兄も早く泳げるようになるといいね」


 そうしたら一緒に泳ごうねと言い残し、タイニーは遠くまで泳いで行ってしまった



 それを見届けると、アリアが僕に近づいてきた



 「この前はごめんね、溺れさせて」


 アリアがこの前のことで謝ってきた



 


 もう終わったことなのだからいいのに


 僕はアリアに大丈夫だよというと、アリアに微笑んだ



 「でも、なんとかして泳げるようにならないと」


 その言葉を機に、アリアは水に漂いながら考え始めた




 考えているアリアを見ていて、僕はふと気づくことがあった




 この世界にビート板はないのかな



 僕はそう思った





 日本の小学校や中学校、高校では僕みたいに泳げない人はいた

 

 その人たちにはビート板を持って泳げるようにと、体育の授業の時に先生からビート板を渡されていた



 そのことを僕は思い出していた






 あれでも待てよ、この世界ならビート板を作り出せるんじゃないのか?



 僕はそう思いポケットの中にある積み木に手を伸ばした



 僕は積み木を水の中で手に取り、ビート板をソウゾウする



 すると、水の中に木状のビート板ができていた



 水の中から曲がりくねりながら浮き上がってきたビート板は、水の中から空中へと飛び出す


 

 その光景にアリアは驚いていた



 「何よこれ!?」


 突如現れたビート板に対し、アリアはかなり慌てていた。





 この世界ではビート板はありませんでした。この世界での泳ぐ練習は、人の手を借りながらの練習が当たり前なので、アリアはビート板にかなりびっくりしています。なんか変なのが海から出てきたと言う風な感じでしょう。

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