ぎもん
「交通手段ていうのは、人間が歩く、走る以外の方法で移動するためのものです」
「「ああ、そういうこと~」」
二人は、納得したようだった
アリアは、うーんと考えている
その横で、マスターが口を開いた
「移動なら陸地では、馬が主じゃないか?」
「そうね」
アリアは、マスターに向かって頷いた
「海での移動は?」
そう僕が言うと、二人はさらに首をかしげる
「うーん、そもそも、海は泳ぐものだと教えられていたからね・・・」
「俺もだな。そもそも海を泳ぐ以外でここに来られるんだったらな、」
お客来てるぞ、きっと。リドは、大きく頷いていた
車の概念もないということか・・・
はあ、と僕はため息をつく
「そうですよね、来ますよ。この味だから」
僕はどうしたものかと考える、二人が僕の言葉に喜んでいた時に
船を造ろうにも、造り方が分からない
そして、車も、水上バス、飛行機においても同様だ
知らないことを今さら考えてもしょうがないじゃないか
そう考えていると、僕はまたある疑問が浮かんだ
「じゃあ、僕が食べた食べ物とかはどうやって調達しているんですか?」
もう一つ気になる質問を2人に投げかけた
「ああ、それはね」
「アリアが泳いで街に調達しに行っているんだ」
二人が肩を組んで、張り切って言った
えへん、という声が聞こえてくるような感じだった
はい!?この・・・
「この海を泳ぐっていうんですか、アリアは!?」
正直僕は驚きを隠せなかった
周りは一面渦潮で、交通手段もなくて、どうやって泳いでいくんだよ、と全力でつっこみたい
待て待て、二人の答えを聴こう
「そりゃ、水面近くを行くと流されるよ。だからね、潜水するの」
「潜水?」
「そう、この渦潮って・・・」
アリアによると、レストランの周りにある一面の渦潮は、水面だと威力はすごいらしいが、水面だけらしく、深く潜った状態で泳いで行けば、渦潮には巻き込まれずに街にたどり着けるらしかった。
ただし、潜水時間が3分と長いため、普通の人はまず無理だそうだ。
いや、泳げたらおかしくないかというのが本音だが、実際に泳げている人がここにいる
「私、泳ぐの得意だから!!毎朝行ってるし、街に」
あはっ、と笑顔で僕に言ってくる
「得意で済む問題なんですか?」
「いや、済まないと思うよ」
俺だってそんなに潜水できないしね、と言ってリドはコーヒーを飲んでいた
いつのまに、用意されたのか、僕の目の前にもコーヒーが出されていた
「いただきます」
とりあえず、コーヒーで心を落ちつけよう、そう思った
「マスター、私はカフェオレね!」
はいよ、っと言って、マスターはカフェオレを準備する
とりあえず、二つ目の疑問は解けた
アリアが毎朝食料を調達しに行っているということが分かった
後で、荷物はどうやって運ぶの?とアリアに聞くと、真空にできるバックを担いで泳ぐの、と大きなリュックを見せてくれた。
アリアさんは、半端ない水泳少女でした。創の疑問はもう一つあります。続く。