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積み木の世界  作者: レンガ
~ 風の国 ~
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みんなの好き

 「土の国に行くといいと言ったが、しばらくはここに滞在してもらえないだろうか」


 ファイさんたってのお願いに僕たちは快諾した




 ファイさんの風の加護者としてのお披露目を国中ににして回るということで


 その手伝いをしてほしい




 クロウさんからもそうお願いされ、僕たちは風の織り籠でお世話になることになった



 ファイさんとクロウさんが呼んだお世話役の人に案内されて部屋へと案内される

 


 四人とも別々の部屋でそれぞれが思い思いにくつろげるように用意されていた



 リュックを置き、皆は一息をついた



 「ぐう」



 そういえば、助け出されてから僕以外の人はご飯を食べていなかった



 「なんか、お腹すいたわ」


 

 アリアがお腹をさするので、僕たち全員は食堂をへと向かうこととなった






 ~ 織り籠内・食堂 ~



 お世話役の人がドアを開けてくれる


 その開いた食堂の中から、何とも言えない香りがそこら中から漂ってくる



 「うまそうな匂いだな~」


 デニーさんは食堂の中のお酒が置いてあるところに目が向いていた


 「もう、おなかぺっこぺこ」


 アリアがカウンターに行き、注文しているのが見える


 「ここの料理はどうやって作られてるんだろうな」


 リドは食べることよりも食堂でどのように料理が調理されているのか、厨房の方へ歩いていくのが見えた



 僕は三人のそれぞれの行動に苦笑した



 皆自由だな

 



 僕もアリアと同じようにカウンターへ行って料理を頼みに行く




 アリアの横に並んでメニューを見る



 

 ~ 本日のメニュー ~



 ・鶏胸肉のタルタルソース焼き


  鶏の胸肉を蒸し焼きしたものに、たっぷりのタルタルソースをのせて召し  上がってくださいと下の注意書きに書いてある


 僕は他のものも見ていく

  

 ・ミネストローネ

  

  トマト多め、今日は酸味が強いです。酸味が苦手な方は食べるのを避けてく ださい

 

 ・なすとチーズのドリア


  素揚げしたなすをご飯の上にのせ、今朝取れたての牛乳から作ったチーズを

 使った今日一番の自信作です。なすの食感にチーズのとろーりと口に広がる濃 厚さに酔いしれてください

 

 ・オクラとヤングコーンのピカタ

  今日のピカタは野菜のオクラとヤングコーン!!オクラとヤングコーンのハ ーモニーを卵が優しく指揮します。さっぱりと食べたい方はどうぞ


 ・ハーブウインナーの炭火焼き


  今日のウインナーはハーブ入りです。噛みしめるたびに広がる肉汁とともに ハーブの爽やかな香りが後からやってきます。一度食べるとはまる人ははまっ てしまうかも、しれないです。試してみてくださいね

 

 ・メロンパン


  カリッカリッに焼いた外の生地に中のふんわり、それでいてしっとりした甘 さがあなたを魅了します。お仕事の忙しい方、これ一つで今日の食事のカロリ ーはばっちりですよ


 と言う風なユニークな言葉を、メニューに対して作ったであろう人がコメントしているようだった



 僕はその中でも最後のメニューを見て目を光らせた





 ・クルミパン


  素朴なクルミに小麦粉の甘さが引き立てられます。スープと相性抜群です。 他のメニューのお供にいかがですか?



 

 クルミパンをお供に?お供なんてさせない

  


  僕はすぐさまにクルミパンを注文する



 「坊や、何個いるんだい?」


 食堂のおばさんが僕に尋ねてくる



 僕は片手を広げて出して見せる


 「五個、お願いします!!」




 紙袋に入れて渡されたふかふかのクルミパンに僕の心は躍るようだった




 食堂のアリアが座っている席に僕はクルミパンを持っていく



 「ああ、ハジメは何頼んだの?」


 食べ始める前のアリアが僕を見る



 アリアは目を点にしていた



 「へ、なにそれ?」



 僕が持っている紙袋を指差してくる



 だから僕は答えた



 「クルミパン、だよ」



 僕は満面の笑みをアリアに見せた




 僕の言葉にアリアは手を叩く


 「ああ、そっか。ハジメはクルミパンが好きなのよね?私がブルーベリーをこよなく愛するように」



 うんうんと頷いてくるアリアに共感を抱こうとした



 だが、やめた





 いやいやちょっと待て


 アリアと一緒な訳がないだろう



 僕は以前リュックに入りきれないほどのブルーベリーをアリアが購入していたのを思い出していた




 「とりあえず、座ったら」


 そういうアリアは僕の顔のひきつりに気づいていなかったらしい


 手を合わせ、黙々と食べ始めていた





 僕もアリアに言われた通りに座り、紙袋から出来立てふわふわのクルミパンを取り出す





 「いただきます!」


 僕はクルミパンに遠慮なくかぶりついた








 三個食べ終わったところで、お腹がいっぱいになったので僕は食べるのをやめた



 アリアはいつも通り、すでに食べ終わっていた



 後の二人、リドとデニーさんは厨房と酒に集中していた





 みんなそれぞれ好きなものがあるってことなんだよな




 僕はそう思いながら紙袋に入った残りのクルミパンを大事に抱えたのだった。 



 クルミパンを創は押し過ぎなのでは、と思われるかもしれませんが、私も好きなので、許してやってください。あの素朴な味わい、なんともいえません。

 ご飯を食べてきてすぐなのですが、クルミパンが無性に食べたくなりました。

我慢しよう、そう思います。

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