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積み木の世界  作者: レンガ
~ 水の国 ~
34/189

リドからの解説

 ブルーベリーアイスを食べるアリアをよそに僕はリドに話しかける


 「ねえ、リド。リドはこの国の生まれの人じゃないの?」


 今日お客さんにそう言われたんだというと、リドが頷いてくる



 「おう、そうさ。俺は火の国、タリエスの生まれだな」

 リドも料理を食べ終わり、椅子にゆったりと腰掛けている



 「火の国では料理の腕を評価されないからな。土の国、風の国を通って水の国まで来たんだ。そのころからデニーとは一緒だな」


 よく考えてみればそうだな、と言うリドは自分の言葉に納得していた


 「火の国には帰りたくないの?」


 僕が質問を投げかけると、リドは唸り始めた



 「帰ってみたいのはやまやまなんだが」

 「なんだが?」


 はあ、とリドはため息をつく


 「このレストランにたどりついたときと同じで、帰る方法がない」


 お冷を手に、リドはいっきに水を飲む


 僕はその言葉に頭を抱える






 

 またそのパターンなのか・・・


 なぜ後のことを考えてないんだ!? 


 

 帰る方法はないのに、こっちに行く方法があるのはおかしいので、僕はリドに疑問をぶつけることにする


 「じゃあ、どうやって来たの」


 僕はリドの方を見据えた


 「タリエスの開発技術のたまもの、だな」

 

 飲みほしたお冷を置き、僕に視線を向ける


 「火の国タリエスは、武器や防具以外に開発をするという話はアリアから聞いているだろう?その開発の力で俺は水の国まで流れ着いたんだ」


 今度は俺がこの国での移動について説明しよう


 そう言って、リドはアイスを食べているアリアに部屋に戻るというと、僕についてくるように言ってきたので、アリアに言ってから僕もリドの部屋へと入って行った







 ~ 宿り木・リドの部屋 ~


 ドアを開け、リドがベッドに座るように言ってくるので、素直に座った


 従業員の部屋はどうやら向きは違うかもしれないが、置いてあるものは同じようだ


 「さて、続きを話そうか」


 リドも一冊の本を持って椅子に座る


 「俺が火の国から土の国、風の国を通って水の国に来たのはさっき言ったな」


  

 まず、国の行き来の仕方について説明しよう、というリドは普段では考えられないほど僕に長く話してくれた



 僕でまとめておくことにするよ



 国の行き来は、北から西、西から南、南から東と行くことはできるが、

逆に東からまわっていくのはこの世界でのタブー、日本でいう法律違反と同じらしく、それなりの処罰が下るそうだ


 日本では太陽が、北から西、南、東と言う風に昇ることはないが、この世界では国の行き来と同じように、日本と真逆に太陽が昇っていく


 つまり、北から東、火の国から水の国に行くことはできず、リドは土の国と風の国を通って水の国にやってきたということだ


  

 そんな決まりがあったわけか



 僕がその話に納得していると、ふと気づくことがあった


 「ねえ、リド。その話だと北から東、つまり、火の国から水の国に直接行くことは無理ってことだよね」


 「ああ、そうだ」


 リドは僕に向かって頷いている


 「じゃあ、水の国から火の国に行くことはできるんじゃないの?」


 リドは面食らったような顔をしていた


 この世界の太陽と同じ方に進んでいるのだから問題ないはずだ





 僕はそう思い込んでいたんだ。   

 

  

 リドがめずらしく喋ります。一応、無口設定なので、創は驚いています。

アリアも聴いたらきっと驚くでしょうが、彼女は残っているブルーベリーアイスに集中しているので気づきません。

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