とあるレストランで
「「はい、できたわよ~」」
二人は、僕の服を差し出してくる
しかも、二着
着てみて~、と言うので、僕は着替えるスペースに行って着替える
出ていくと
「「「きゃ~!!」」」
黄色い悲鳴が三つほど同時に聞こえた
きゃ~!!ってなんだそれ・・・
心の中で僕はひきまくっていた
女子3人は壮絶な勢いで僕のことを話しているようだが、気づかなかったことにしようと思う
二着の服を着終わって、僕は着替えようとした
するとアリアが、僕に慌てて言ってきた
「ああ~、待って!着替えないでいいわ」
そのままで!と強く言ってくるので、僕は着替えないことにした
ちなみに今の僕の服装は、グレーを基調にジーンズとスーツの良いとこどりをしたような服のデザインだった
「「うんうん、よく似合ってるわ」」
素材もいいけどね~と言って、二人は手を取り合っている
大成功!と二人は言い合っていた
とりあえず、服を作ってくれた二人に僕はお礼を言うことにした
「ありがとう、二人の作ってる服って、軽くて丈夫で肌になじむよね」
それに動きやすいよ、と言うと、二人は幸せそうに僕を見つめてきた
「「そう言ってもらえると、服屋冥利に尽きるわね~」」
二人は僕の着てきた服と今着ていない普段着を袋に包んで、僕に渡してくれた
「よかったわね、ハジメ」
アリアがお会計をしながら僕に話しかけてくる
あの後、二人から靴や靴下もプレゼントされたので、当分服関係で困ることはなくなった
二人に手を振りながら僕とアリアは店を出て行った
「よし、次はどうしようか!」
アリアは僕に聞いてきた
服屋を出てきたころ、夕日が海に沈もうとしていたので、帰った方がいいのではないか、と思った
「そろそろ帰ろうか、アリア」
日も傾いてきたし、というとアリアはそうね・・・・、と頷いていた
でも!とアリアは船がある方向とは逆の方を見ていた
「ご飯食べにいこ!!」
リュックをしっかりかるいながら僕にウインクした
そういえば、お腹すいてきたかも・・・、と思っていると今日はリドがいないと言うことに気づいた
今日は帰らないっぽいことを言っていたな、リド
つまり、リドが帰らないということは、レストランに戻ったとしてもご飯はないということなので、アリアが言ったことも頷けるな、うん
僕はアリアの提案を受け、レストランがある方向へと歩き出した
しばらく歩いていると、とある店の前にたどり着いた
そこは、僕らの働いているレストランよりもこじんまりとしたお店だった
~ レストラン フル 店内 ~
趣のあるドアを恐る恐る僕は開ける
そこには、店の外見に似合わず、豪快な人たちが食事をしていた
こじんまりとしているのに、料理も豪快なようで、店の中には常に話し声が絶えなかった
昼間の市場の雰囲気と似ているようで、似ていないような、夜の雰囲気を纏った感じの店だった
アリアと僕はカウンター席に座って、メニュー表を見る
「うーん、どれしようか・・・・」
迷うわね!と言っているアリアに僕は苦笑する
まあ、僕もそうなんだけどね
メニュー表とにらめっこしていると、頭上から声が降ってきた
「お客さん、注文まだ?」
ウエイターの人が後ろに立っていたのに僕は驚いた
アリアは、顔を上げずに
「うん、まだよ」
と言うので、ウエイターは去って行った
アリアはまだメニュー表を見ている
僕は決まったからいいけれど
さっきのウエイター、きっとせっかちなんだろうなと僕は思っていた
しばらくして、痺れを切らしたのか、さっきのウエイターが足早にやってきた
「お客さん、まだ決まらないの?」
メニュー表を見ているアリアに向かって言ってきた
お客に対する態度ではないだろうと僕は思った
まあ、まさかこの後、このことがアリアにとっての爆弾投下発言になるということは
このウエイターは露程も思っていなかっただろうが。
服屋で女子3人がきゃ~と言っておりますが、それは察してください。この後、アリアがどのような行動をウエイターに対してとるか、注目です。




