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積み木の世界  作者: レンガ
~ 水の国 ~
20/189

風の服屋 リリーとパンジー

 服屋の行列の前に僕たちは並んだ


 繁盛してるわね、と言って列の先を見るアリアは背伸びをしていた




 

 とりあえず、暇なので店の看板を僕は見る


 「風の服屋 リリーとパンジー」






 ・・・風の?






 なぜ服屋に風がつくのか僕には分からなかった



 考えていたら、アリアに先に行くよう促された



 頭を上げるといつの間にか先に並んでいたはずの客は消え失せ、僕たちは店のドアの前まで来ていた


 僕は目の前のドアを開ける





 「「いらっしゃい」」





 そこには銀髪の女の子が2人いた


 一人は長い髪に、クリーム色に近い白のワンピースを着ている


 もう一人は短い髪に、柔らかな黄色のカーディガンとズボンをあわせている


 目も同じ銀色で、言葉の発し方も同じタイミングだった




 双子?




 僕がドアの前で立ったまま考えていると、アリアが見かねて話しかけてきた


 「ハジメ、どうしたの?」



 少ししゃがんで僕の方を覗き込んできたので、僕は後ろに飛びのいた




 「いや、何でもないよ。それより、ここがアリアお気に入りの服屋さん?」




 僕の反応に不思議がっていたが、僕の言葉にしゃがみ込んでくるのをやめた


 「そうよ!」

 

 アリアは顔を上げ、店員2人の方を見た


 「彼女たちが、ここの店主達よ!」


 白いワンピースの方がリリーで、黄色のカーディガンの方がパンジーだった




 そして、僕の考え通り双子だった




 「リリー!パンジー!昨日ぶりね」


 アリアが二人の方に進み出るので、僕も後からついていく



 「「あら~、アリアじゃない」」

 今日は服がいつもと違うのね、というので、アリアが満足そうに頷いた


 

 「そうなのよ!レストランのことはいつも話しているでしょ?」

 そのレストランがね~、と言って話しているアリアたちを邪魔するのは気が引けた



 だから僕は店内の商品を見ることにした




 見たところ、服の形をしているものはないけれど、さっきのお客で売り切れたのだろうか




 これじゃ、商売できないんじゃないか・・・、と考えていると、


 店の奥の方に、様々な色の布地が大量に置いてあるのに気付いた



 でも、布地があるだけで裁断するハサミも何もない



 どうなってるんだ?と考えていると、アリアが僕の方に近寄ってきた



 どうやら話が終わったようで、二人に先ほどのロウと同じように招待状を持っている



 「「それで、今日はどうしたの?アリア」」


 二人が声をそろえて聞いてくる




 「今日はね!」




 じゃーん、と効果音が出そうな感じで僕を前に突き出す


 たたらを踏んだ僕は、なんとか姿勢をもとに戻す


 「「あら?」」

 見ない顔ね、と二人は話し合っている


 僕はきっと自己紹介すべきだろうなと思うので、二人に話しかける


 「初めまして、僕は相田 創です。アリアと同じ職場で働かせてもらってます」


 にっこり笑顔で僕は二人を交互に見ながら、あいさつをした


 「「へえ、そうなの」」


 二人は頷きあいながら、僕の方を見た


 「それじゃあ、私から。私はリリー・R・アティ」

 

 白いワンピースの子が僕に向かって言う


 「次は私。私はパンジー・R・アティ」


 今度は黄色のカーディガンの子が言ってくる 

 


 「「他の人からはアティ姉妹なんて言われるけど、名前で呼んでほしいな」」


 二人がそう言ってくるので、僕は分かったよと言った



 「「ありがとう。じゃあ、あなたのことはハジメと呼んでいいかしら?」」


 ふんわりと、いいかな?と言う雰囲気を二人が出してくるので、もちろんと言う意味を込めて僕は二人に握手を求める


 「こちらこそ、よろしく」


 にっこり笑顔で、二人を見た


 

 握手した後、二人はほのかに顔が赤くなっていたけれど、きっと気のせいだろう、

そう思うことにした。



 



 



 双子が登場しました。この話の中ではほんわか担当です。基本的にほんわかですが、服のこととなると、雰囲気がガラリと変わる、予定です。

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