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積み木の世界  作者: レンガ
~ 水の国 ~
19/189

お酒とブルーベリー

 まいどー、と言うロウの言葉を受けて僕らは花屋を後にした



 「よし!じゃあ、次行こっか!」

 気を取り直して、と言っているアリアに僕は頷く



 「今度は服屋に行こう。ハジメ、普段着がいるでしょ?」



 そう言って、アリアは僕の手を引いて、街を突き進んで行った



 


 その頃





 ~ リドのお気に入りの店 酒場 デニー ~




 「おい、リドじゃないか?」

 

 酒場で酒を浴びるように飲んでいると、後ろから声をかけられた


 一体誰だ、そう思って俺は後ろを振り返る


 

 どうやら親友のようだ


 5年間も声を聞いてなかったから忘れてたな、と酒を口にしながら思う



 飲んだ酒を置いて、酒場の店主の方を振り返った



 「おう、久しぶりだな、デニー」



 話しかけてきたのはここの店の店主で、俺の良き親友であり、料理に使う酒を取引している相手でもあった


 フルネームは、デニー・H・アスタロック


 アリアももちろん知っている、俺が酒を買うように頼んだからな


  

 同時に情報屋でもある




 「どうやって戻って来られたんだ?渦潮に流されて行っちまったってのによ」



 カウンターに入り、俺の前に立って、酒を作り出した



 「ああ、それはな・・・」


 ここに至るまでのことを俺は一息で話す


俺の発した言葉に目を丸くし、デニーは反応した



 「はあ!?で、そのフネとやらでここに戻ってきたのかい」

 聞いたことのない情報だな、とデニーは顎をさすっている



 情報屋のデニーのことだ、そのレストランを見たいというはずだ


 「ほらよ」

 

 だから俺は、リュックからアリア特製の招待状を投げて渡した


 「なんだい?これ」

 アリアちゃんの字だけど・・・、と怪訝そうに言うデニーに明日の昼のことを言う




 「ほう、じゃあ明日の12時にミトリ公園にそのレストランが来るってことだね」

 必ず行くよ、酒持ってなと嬉しそうにしていた




 「デニー、今日は飲み明かしてもいいか?」




 そう言うと、店をたたんで二人でゆっくり話そうじゃないかと言ってきたので、一緒に店を閉めるのを手伝うことになった


 




 

 ~ ヴァレンシア 市場通り ~




 アリアと一緒に進んでいった先には、様々な野菜や果物、調味料、肉、魚、穀物、お菓子などが置いてある一本通りの市場だった


 左右の店から、掛け声や商品の説明、あいさつの声が人々の間で飛び交っているのが分かる



 賑やかだな



 何百とある店を見渡しながら、僕はそう思った

 


 静かな場所の方が好きだが、こういうところなら毎日来てもいいかもしれないと思うことができている僕は、積み木をただ操っていた頃と比べて、少しは変わったのかもしれない




 本当にそう思った




 僕が考えている間に、アリアは3軒さきの果物屋にいた


 僕は慌てて追いかけることになった



 「見て見て、ハジメ!ブルーベリーがい~っぱいよ」

 今までこんなになかったのに、とブルーベリーの山を見てクルクル回っている

アリアの行動は、見てて微笑ましかった



 ブルーベリー好きなんだな



 大量に購入しているアリアを見ていて思った



 うん?どのぐらいの量かって?


 

そうだね、2リットルのペットボトルが軽く十本入るリュックをはみ出してるくらいかな・・・




 アリア、買いすぎだよいくらなんでも



 僕は心の中で呟いていた




 「よーし、ブルーベリも買ったし、服屋に行こう!!」


 あそこ、と言って指差した方向を見ると、行列ができていた



 「うん」


 ブルーベリーいっぱいのアリアのリュックを見ながら、後ろを追いかけた



 

 待てよ、服屋は行列ができるものなのか?



 そう思う僕は店の中に入るまで、この世界の服屋が明らかに日本と異なるものだということを知る由も無かったのだ。




    

 リドは酒豪です。ザルです。一日飲み明かしても、顔が赤くなりません。日本人だとなかなかいないだろうけど、日本じゃないから問題ないです、はい。

 アリアは、ブルーベリー大好き人間です。大好きの域を超えてますが、気にしないで下さい。


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