花屋 ロウ
金髪の焼けた人を僕は凝視する
僕の視線に気づいたのか、ロウという人は僕の方を見る
「うん?アリア、こいつは?」
誰、と聞いてくるロウという人に、アリアは僕のことを説明する
「ロウ!こいつはハジメに失礼よ!」
怒りながら、僕がレストランの従業員だということを説明してくれた
「わりい、つい癖で」
ごめんな、と僕に手を合わせてきたので、まあ許すことにしよう
「いえいえ、知らない人がアリアにいたら気が気でないでしょう」
僕は棘を含みながら、金髪に言う
「初めまして、僕は相田 創です」
よろしく、と威圧を込めて笑顔を送る
どうやら僕の威圧に気づいたらしく、金髪はたじろいでいた
ざまあ、とか思ったり
アリアは僕の威圧に気づかなかったらしく、僕の後に続いて話す
「私はハジメって呼ぶわ」
ルンルンした感じで言うアリアに、金髪は救われたようだった
調子が戻ったようで、僕の方を見る
「さっきは悪かったな。オレはロウ・A・コルトだ。さっきアリアが言ったように花屋をやってる。みんな基本的にロウって呼ぶな」
思い出すように言うロウに、僕はロウと呼ぶということを伝えた
僕とロウの自己紹介が終わり、僕たちは花屋へ向かうこととなった
~ 花屋 ロウ ~
ロウが花屋のドアの前に立つ
「花屋 ロウへようこそ!」
ドアを開けると無数の花が香りとともに出迎えてくれた
爽やかで、それでいて甘やかな花の香りが僕たちの鼻をくすぐる
「相変わらず、花にだけは繊細なのよね」
そう言って、白い花を手に取るアリアは、ため息をつく
「おい、花にだけは余計なお世話だ!」
腰に手をあてながらロウはアリアに対し軽く怒っていた
アリア、ナイスだ!と思ったのは僕以外にもきっといるだろう
「きれいな花だね」
僕は店内の花を眺める
ロウはそれが嬉しかったのか、だろだろ!と言ってくる
「俺が毎日山にとりに行ってるからな、鮮度抜群できれいだぜ」
1週間はどんな人でも水をあげてればもつしな
うんうん、とロウは頷きながら言っていた
なるほど、変に筋肉がついていたのは、山登りのせいか
口は悪いようだが、花に関しては本当に真剣なようだった
この店の花を見れば分かることだった
店内を見回していると、アリアは白い花を一つレジに持っていく
「どうした、アリア?」
いつも買わないのに買うのか?
そう言いながらレジの方にロウは向かう
「今日は必要ないんだけれど、明日のお昼にお花が必要になるの。この白い花を・・・そうね、100本、明日ミトリ公園の前に11時前でよろしくね!」
そう言ってアリアがロウにウインクをする
「おいおい、そんなに花買ってどうするんだ?」
今日も泳いできたんじゃないのかよ、とロウは苦笑している
アリアは、頬を膨らませていた
「もう、ロウまでそんなこと言う!買います!明日、12時に公園前まで届けに来てね」
ついでに、レストランにも来て!と言って、リュックからさっきの招待状を出す
ロウはその招待状を受け取り、目を白黒させていた
昼前のノアさんと同じ状態なんだろうなと思った僕は、アリアとロウの顔を横で見ていた。
麦わら帽子が似合いそうな日焼けした金髪のショートカットの筋肉質の人を思い浮かべてください。そんな感じの人が、ロウのイメージです。
創はロウに対し毒づいています。果たして仲良くなれるのか・・・、いや無理だろうと思っています。




