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積み木の世界  作者: レンガ
~ 土の国 ~
166/189

駄目であるはずがない

 「アリア姉、どこ行くの?」


 タイニーがマッドをからかいながら聞くのを僕は見守る


 タイニーに話しかけられた後、彼女は振り返らずに、明るい声で僕たちに言った


 「お土産買ってないから、買ってくるね!!」



 そう言ってから店の表の方に走り出したアリアを、僕は追いかけようとした


 けれどその僕を止める人がいた



 「アリアちゃんの様子おかしいよね?どう見ても」



 行ってくるからハジメくんは火の国にあたしが行く件、旦那に話しといて~!


 じゃ!と手を振り、ポルカさんは瞬く間にこの場から姿を消していた




 そのすぐ後で、マッドからおい!と手を肩に置かれて話しかけられた


 「火の国に行く件って何の話だ?」


 何のことかさっぱり分からないという表情のマッドに、僕とタイニーは先ほどのポルカさんの説明を話した












 

 

 はあ、いけない!いけないわ!!


 元気出さないと!!元気は私の取り柄じゃない、アリア。しっかりしなきゃ!


 これ以上悟られないようにと思って市場の方に抜け出してきたんだけど、お土産を買ってないのは本当のことだし、


 買い物でもして気分転換しよ!



 そうしないと、ハジメに変に思われちゃう、よね?



 そう思って、ポルカさんの種屋(看板に大きな文字で書いてあったのを見て初めて知った)の前から駆け出そうとすると、



 「ア~リアちゃん!!」


 「はいい!?」 


 誰もついてこないだろうなと思っていたの私は、店先で盛大に飛び上がってしまった


 「そんなに驚いた?なら大成功!!」


 やった~!!と言って私の後ろではしゃいでいたのは、種屋の店主で市場長のポルカさんだった



 「もう!ポルカさん、驚かさないでください!!」


 頬を膨らませ、驚かされたことに対して抗議した私をポルカさんは宥めるように言う


 「はは、ごめん。お詫びにポルカでいいからさ」


 「それ、お詫びになるんですか?」


 じーっと見つめる私の視線をポルカさんは軽くかわし、市場の方を向いていた


 「さあね~。それはさておき、お土産買いに行くんでしょ?だったら、あたしがおススメの店紹介するから、ついてきなよ」


 ほらほら!と言われたので私は急いでポルカさんの後を追った


 

 







 ~ 食堂 ~


 その頃、食堂にいた人が全員出て行き、私とリド様、デニー叔父様、ウィズさんの四人しかいなかった



 叔父様とウィズさんは相も変わらず、お酒片手にラブラブ?っぷりを私の目の前で披露している


 そんな叔父様とウィズさんの姿を見ないようにして、はあとため息をついていると、横からスッとグラスを差し出された


 先ほど、ハジメが抱えてきた大量のブルーベリーを使った飲み物らしく、炭酸とお酒で割られたものだと横から説明された

 


 「ブルーベリースパークだ」


 そう言って、誰もいない私の前の席にリド様は腰かけた


 「たぶん、うまいぞ?」


 リド様は飲め、というようにグラスを私の方に押しやってきた



 「いただきますわ」


 そう言ってから、私はブルーベリー色に染まったグラスを自分の方に傾け飲んだ


 爽やかなブルーベリーの酸味と甘み、炭酸の泡と一緒に、ピリピリとした刺激とひんやりする小さな粒状のものが咽喉を通るのを感じ、私はグラスを少し口元から離す


 「この、ピリピリとしたものは何ですの?」


 そう言う私の疑問に、自分で持ってきていたのだろう、グラスを傾けてからリド様は答えた


 「氷砂糖に胡椒を一緒に凍らせたものを細かく潰したものだ。合うかな、と思ってな」


 駄目だったか?と聞いてくるリド様は少し不安そうに私の方を見てきた



 「駄目であるはずがない、ですわ」


 お酒を飲み干し、机の上に軽く置いて見せる



 もっと飲みたいですわという私の満足そうな表情を見ると、リド様はそうか、と安心した様子で、厨房にお替りを作りに行った


  










 ~ ポルカの種屋 店の奥 ~


 「つ、つまりだ。ポルカが火の国行くってことは、この市場の長がいなくなるということになるんだが・・・」



 一通り説明した僕とタイニーの前に、マッドは頭を抱えていた

 

 「誰が、市場長に適任かを、選ばなければならなくなるってことだよな・・・」


 とほほ、という声をあげ、仕事が増えたことを嘆いているマッドは憐れだった


 その姿があまりにも可哀想だったので、僕はマッドの仕事を減らせるように、話を持ちかけた



 「他に、適任者はいないの?」


 「適任者がいたならな、きっとポルカと一緒に働いているさ。本来、副市場長ってのを選ばないといけないんだが、加護者の選抜でゴタゴタしてたのと、適任者がいないこともあって、今まで選べていないんだ。市場長はどこの市場も後継者不足さ・・・」


 さらに悩ませるマッドをタイニーが励ます



 「しっかり!マッド兄の旦那!!」


 ね?と励ますタイニーに、その呼び方、長すぎないか?マッド兄でよくないか?と突っ込みをいれながら、マッドは悩んでいた


 

 後継者不足か


 日本でも農家では後継者不足とか深刻という話を聞くな




 ポルカさんと一緒に働けるくらいで


 働くことに責任感を持つ人って考えるとな・・・



 目の前にいる二人の存在を忘れ、僕は物思いにふけった。



 投稿が満足にできず、悔しい思いでいっぱいです。明日の夜は投稿できませんので、先に言っておきます。


 本当に申し訳ないです。


 さて、今回はアーシィとリドを真ん中あたりに出してみました。最近ご無沙汰だと思ったので。


 二人のやり取りを次の話でもできるといいなと思っています。


 頑張ります!!

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