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積み木の世界  作者: レンガ
~ 水の国 ~
16/189

カバン屋 ノア

 豪快に笑うおばさんは僕に目を向けてきた


 「ごめんね、ついアリアと話し込んじゃって」



 目は口ほどに物を言うというのはきっとこのことだろう


 この人謝る気、微塵もないな


 僕はそう思った



 

 「私は、ノア・J・タブロフだ。ノアさんて呼んでおくれよ」


 手を動かし、僕に握手を求めて来たので応じた


 「僕こそ、何も言わずに失礼しました。僕は、相田 創、です」

 基本的に、アリアにはハジメと呼ばれています、と僕は言ったので、


 「そうかい、じゃあ、ハジメと呼ぼうかね」


 ノアさんはアリアと同じ呼び方で僕を呼ぶことになった




 ノアさんはアリアの方を見て聞いてきた


 「それで、ハジメがどうしたのかい?」



 さっきの出来事で、いろいろ考えていたのか、アリアは気づくのが遅れていた



 「えっとね、ハジメ用のリュックが欲しいなと思って今日は来たの」


 

 アリアは落ち着きを取り戻したようだった



 「ああ、分かった。リュックだね」



 ノアさんは店の奥に引っ込み、やがて一つのカバンを持ってきた



 「この子の髪に合わせて、黒でどうだい?」


 見た目を見る限り、アリアのリュックとほとんど同じもののようだった


 「どう、ハジメ?」


 気に入った?と聞いてくるので、アリアに向かって僕は言う


 「うん、色も僕の好きな色だし、気に入ったよ」


 笑顔で僕はアリアとノアさんを見た


 「そうかい、それはよかった」


 ノアさんは豪快に笑っている


 アリアもつられて笑っていた


 「じゃあ、それにしよっか!」


 そう言って、アリアはお金をノアさんに渡している





 僕はアリアがお金を払っていることに危機感を覚えた


 お金を払っているアリアの服の袖を引っ張り、注意を引く



 「何?ハジメ」



 こっちの方を見たので、耳を貸すようにお願いした



 そして、お金を持っていないことを伝える




 そうしたら、何だそんなこと?という風にアリアに笑われてしまった




 「ハジメ、問題ないわ!」

 明日から働くんだからそれで取り返してくれればいいのよ!

  



 ビシッと指を立てて言ってくるアリアの言葉に、僕はほっとした



 

 ほっとしたのもつかの間、ノアさんは僕に訊ねてくる  



 「明日から働くって、どこでだい?」



 ノアさんが聞いてきたので、僕は答える




 「アリアと同じ職場ですよ」




 そうかい、大変だね・・・と、言ってきたのを見て、アリアは待ったをかける



 「そうそう!言うの忘れるところだった。聞いてよ、ノアさん。レストラン宿り木がね!」


 街の近くまで来てるのと嬉しそうに言うアリアに、ノアさんは驚いていた




 「はあ?アリア、街の近くまで、あの噂のレストランが来れるわけないだろう」



 どうやら本気にしていなかったようで、アリアの言葉は聞き流されてしまった



 「そうかな?じゃあ、なんで私の服がいつもと違うのか、分からない?」



 まさか、という顔をして、ノアさんはレジ台に身を乗り出してきた



 「今日は泳いで来なかったということかい!?」

 あり得ないよ、と言って首を振っているノアさんにアリアはさらに言う



 「そうなの!嘘だと思うなら、明日ミトリ公園まで来てみてよ!」

 今日は営業してないから


 元気にそう言ったアリアは、リュックから招待状のようなものをノアさんに渡す


 「よし分かった。明日ミトリ公園に昼の12時ジャストだね」


 招待状を受け取ったノアさんは腹をくくったのだろう、

 アリアに対して潔く返事していた



 お礼を言いながら、僕達はノアさんのお店を後にしたのだった。


 

 


 

 ノアさんは豪快なおばさんをイメージしています。アリアのよき大人の相談者です。創のリュックの色が黒なのは、髪の色が黒と設定しているからです。

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