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積み木の世界  作者: レンガ
~ 土の国 ~
158/189

私達の平穏

 「ちょっ!?加護者が必要ない国って・・・」


 有りなのか?と聞いてくるマッドにリドは頷く


 「開発の方が発展しているから、火の国は加護者の代わりに開発長ってのがいるんだ」


 そいつが今の火の国を動かしているはずだと言うリドの言葉に、マッドはあいた口がふさがらないようだった



 まあ、加護者が必要という考えを持っている国の人からしたら、その加護者が必要とされていない話は有り得ないことなのだろうな


 う~ん、と一人考えていると、リドから頭をポンポンと撫でられた



 「まあ、5年前のことだからな。俺がいた時とは違う、と思っていこうな」

 

 な?と言われた僕はリドに向かってコクリと頭を縦にふった



 火の国の実態が分からない以上、考えても仕方のないことだ


 焦らずにいこう



 僕はそう思ってから、テーブルに置いてあるお茶を口に含んだ












 ~ ポルカの家 畑にて ~


 「そうそう!タイニーちゃん、やるね~。たった一日だけで、もう土のこと分かっちゃったんだから。本当に凄いよ!!」


 ごほうびの高い高いね!と言われて、ぼくはポルカ姉に抱き上げられていた



 「わ~い!!」


 今のぼくの身長では絶対見られないような目線の景色に、ぼくは両手を広げて素直に喜んだ

 

 

 ポルカ姉が最初に言ったように、ぼくは土の改良の仕方を全て理解していた



 土の色、水分量、温度、通気、肥料の入れ方、休ませ方、どの土がどのハーブに合うのか、改良するにはどの土をどれだけ使えばいいのかなど、詳しく教えてもらった



 「もう、あたしの店を任せられるくらいよ!」


 と言って、ポルカ姉はぼくをゆっくり地面に降ろしてくれた


 その後、ポルカ姉は僕の目を覗き込むようにしてきた



 「ねえ、本気で今日私のお店、手伝ってみない?」


 ね?というポルカ姉の誘いに、ぼくは即答した



 「うん、手伝う!!」


 はーい、と手をあげたぼくの手をしっかりと掴み、ポルカ姉はぼくを家へと連れて行った



 あれ?もう夕方だし、そろそろ夜の市場が開く時間だと思うから、お店に行くんじゃないの?


 ぼくはそう不思議に思いながらもポルカ姉の手に引かれていった












 ~ 食堂 ~


 僕とリド、マッドが火の国のことについて話していた頃、食堂のドアが音をたてて開いた



 「お、誰か来た・・・って」


 マッドがドアの方を見て、固まったのを見て僕も慌てて見る


 

 そこには疲弊しきったアーシィとアリアの姿があった


 よろよろと寄ってくる二人のもとへ僕とマッドは駆け寄る



 「どうしたの、二人とも!?一体、書類整理で何が・・・」


 何があったの?と言う僕に、アーシィは簡単に説明してくれた



 アーシィとアリアがウィズさんを運んだ後、加護者の部屋に行ってドアを開けようとしたが、なかなか開かなくかったのだそう


 開かないドアを前にしたアーシィに代わって、アリアはドアを開けたという


 「アリアさんは馬鹿ぢ・・・、いえ、心強い味方でしたので、助かりましたわ」



 ニコッと笑うアーシィの笑顔が少し小悪魔じみて見える


 

 アーシィ、君は今、アリアのこと馬鹿力って言おうとしたんだろ?


 僕がそういう視線を送ると、彼女は気づかないふりをして説明の続きをした


 

 アリアに開けてもらった後、アーシィ達は書類の雪崩にあったらしい

 

 ウィズさんが運んで貯め込んでいた書類が、アーシィとアリアを襲ったのだった



 「いやー、あれは参ったね!」


 あはは、と笑いとばすアリアに、アーシィは頭を抱えていた


 「書類が雪崩のようになるなんて、聞いたことがありませんでしたわ。でも私、同時に危機感も覚えましたの。この書類の整理が終わらない限り、土の国の加護者に平穏は訪れない、ウィズさんに追われる日々が続くのだと・・・」


 「だね。あれだけの量を見ると・・・」


 遠くの方を見るようにしているアリアの目線を手で確認しながらアーシィの話を聞いていた



 「ですから、私は今まで!!今の今までですわよ?アリアさんと一緒に書類整理を致しましたわ」


 「そうそう!頑張ったんだよ、私達!!そのおかげで、書類整理は全部終わったんだよ!!」


 二人の誇らしそうな表情に駆け寄っていたもう一人は声にならない叫びをあげていた



 「・・・!?・・・?・・・?・・・」


 彼の、マッドの心の声を代弁すると、



 嘘だろ!?あの量を、二人で?しかも、数時間で終わらせただと?



 ・・・無理だろ


 

 こうだと思う



 僕がそれを女子二人に分かるように通訳すると、アーシィがマッドを見下すように睨んでいた



 「あら?では、見て来ていただけますこと?」


 アーシィがどうぞ、と言う風に手招きしたのを見て、マッドは走って行った


 


 疲れ切ったアーシィとアリアが食堂の席に着いた頃、マッドは出て行った時と同じように走って戻ってきていた



 アーシィに向かって口をパクパクとさせているのを見て、僕はまた二人に分かるように通訳した


 

 ほ、本当に、なかった・・・


 

 僕がそう伝えた途端、マッドはアーシィの前で飛び上がっていた


 「よっしゃあ!これで解放されるんだな」


 喜ぶマッドに僕たちも喜んだ




 あの人の姿をマッドの背後に見るまでは。



 昨日、今日と帰るのが遅くなってしまい、昨日は投稿することができませんでした。申し訳ないです。今日はなんとかできましたので投稿します。


 タイニーはポルカさんに家に連れていかれましたが、何をされるのでしょう?


 そして、飛び上がって喜んでいるマッドの背後にいたのは誰でしょう?


 二つの?を残して今日はこれで投稿を終わります。


 おやすみなさい。

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