アリアと身長差
船が到着する間際、僕は円球を再び手の平に持ち、ソウゾウする
船から街に向かって橋をかけるイメージをした
すると、船からないはずの橋が下りてきた
おおとアリアとリドが感心しているのが視界に入る
「よし、私が一番乗りなんだから!」
そう言って、アリアは下りきってすぐの橋を渡って街へと進む
その後を僕とリドが追った
カンカンと音を鳴らして、僕たちは街へ急ぐ
アリアがジャンプして地に足を付けた
3人が橋を渡り切った後、僕は橋を船の方へもとに戻すことにした
もし、強盗とかがいたときにレストランに入れないようにするためだ
見知らぬ土地では用心が肝心
心の中で僕が頷いていると、リドは待ちきれなかったのだろう
「鍵渡しとくからな、先行くぞ」
そう言って、鍵を僕たちの方に放り投げ、一目散に街の奥の方に向かって行ってしまった
僕が右手でその鍵を受取り、アリアに渡す
「先に帰っといてくれって、ことかな?」
鍵をリュックのポケットに入れながら、アリアは僕の方を見た
「だと思うよ」
同意のために、僕は頷く
私は毎朝泳いで来てたからな~と言っているアリアは、リドが走り去った方向を見ていた
「じゃあ、これからどうしよっか?」
アリアはリュックをかるって、僕に言ってきた
「うーん、まずはリュックを調達しに行こうよ」
少し考えて言った僕の言葉にアリアは
「よし、カバン屋だね」
あっちだよ、と指を指していた
その方向へ、僕らは歩き出すのだった
~ ヴァレンシア アリアお気に入りのカバン屋 店内 ~
「こんにちは!!」
ドアを豪快に開け放って、アリアは店員の人に挨拶をする
「相変わらず元気だね~、アリアは」
ふくよかな体系、それに比例した人のよさそうなおばさんに僕はほっとする
「でしょ!」
元気が取り柄なんだからね、と言って二人で笑っている姿は見ていて和んだ
「今日はどうしたんだい?」
アリアの話に相槌を打ちながら、おばさんはアリアの要望を聞いてきた
アリアは、待ってましたと言わんばかりに、後ろにいた僕をおばさんの目の前に突き出した
おやまあ、というような顔で僕を見てくるので、焦った
おばさん、あなたはきっとアリアと僕の関係を誤解しているだろう、と
「その子、アリアの・・・」
弟?と聞いてきたおばさんの声に、僕は心の中でこけていた
てっきり、リドみたいにデート中と勘違いされるかと思ったが、
僕の身長が幸いして、弟と勘違いされたようだった
ちなみに、アリアと僕の身長差は15センチぐらいだ
「レストランでは弟みたいなものだけど、違うわよ」
アリアがはっきり言ってくれたので、面目丸つぶれということにはならなかった
「じゃあ、彼氏かい?」
そういうおばさんの言葉に、アリアは固まった
なぜ、今それを言う!?と僕はおばさんに全力でツッコみたい
アリアは真に受けたらしい
俯いた顔は赤面していた
なぜ分かるのかって?身長が僕の方が下だからだよ
これは身長が低い僕の特権だな、そう思っていた
俯いていた顔を勢いよくあげて、アリアは否定した
「ちちち、違うよ!?ただの居候なんだから!」
照れ隠しなのか、早口に言うアリアの言葉に僕の胸がチクリと疼いたような気がした
慌てているアリアをからかっていたのか、冗談さ!と言っているおばさんは面白がっていた。
創はアリアより15㎝低い設定にしております。アリアが179㎝で、創が
164㎝な感じです。ちなみに、リドはアリアより高く185㎝くらいです。




