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積み木の世界  作者: レンガ
~ 土の国 ~
148/189

ポルカの用件

 窓の桟ににのせられポルカさんと談笑していると、部屋の中から鋭い視線を僕は感じた



 アリア、もう少し待っていてくれないかな


 僕は心の中で彼女を拝み倒しながら、口はポルカさんとの会話に集中していた


 「用ってのは、タイニーちゃんに今日あたしの家に来るように言ってたじゃない?」


 「はい」


 「それを少し早めて、朝のうちからタイニーちゃん来れないかな~と思ってね」


 「じゃあ、タイニーの居場所が分かればいいんですね?」


 僕の受け答えにポルカさんはそうそう、声に出して頷いていた



 「じゃあ、僕よりも彼女に聞いてもらった方が早いです」


 僕は窓の桟に手をかけながら、後ろで鋭い視線を送っている人を見せた




 鋭い視線を送っていた張本人は、ポルカさんを見て慌てた様子で笑顔になっていた


 鋭い視線の原因は、僕がアリアを置いてポルカさんと話していたのだろう


 僕は桟のところに足をかけ、部屋の中へと入って、アリアを窓のところへと引っぱっていく



 「ちょっ、ちょっと!?」


 ハジメ何するの!?というアリアに構わず僕はポルカさんの前に差し出した


 連れてこられたアリアは少し動揺していたようだった



 僕から見た顔は頬を膨らませていたように思える




 はは、後で謝っとかなきゃ



 僕は冷汗を密かにかきながらポルカさんにアリアのことを紹介した

 

 「ポルカさん、彼女はアリアです。一緒に旅をしている仲間なんですよ」


 彼女ならタイニーの居場所も知っていると思いますと一息に言うと、ポルカさんはアリアを見定めるように上から下を見ていく


 見られているアリアに今度はポルカさんのことを説明していく


 「アリア、彼女はポルカ。市場長をやっている人で、昨日お世話になった人なんだ」


 僕が努めてにっこり言うのをアリアはジトーとした目で見てくる



 そんなアリアも僕から視線を外すと、とびきりの笑顔でポルカさんによろしく!と言って握手を求めている



 それに応じたポルカさんも同じように笑顔でいたのが僕には印象的だった




 でも、まさかそれが、彼女たちの身の上を知っていたら、できない組み合わせだったかもしれない


 もっとも、それはかなり先の話と関係するので今は関係のないことなのだが




 ポルカさんがアリアの握手に応じていると、早速ポルカさんからアリアに話しかけていた


 「ねえ、アリアちゃん。タイニーちゃんのところに案内してくれないかな?」


 「いいですよ。タイニーのところですね?」


 案内します!というアリアの声に驚きながらポルカさんはアリアと手を握ったまま出て行く



 「いや~、こんな元気な子は初めてだな。嬉しいね」


 ポルカさんの笑顔につられ、さっきのひきつり笑いから一変、アリアも笑顔になっていた


 

 じゃあ、行ってくる~!!というポルカさんの声とともにドアの開け閉めの音が響く


 その後、僕は一人部屋に残されることになった







 廊下に出た後、私はタイニーが泊まっている部屋へと案内していく


 そんな私にポルカさんは気さくに話しかけてきた



 「ねえ、アリアちゃん」


 「何ですか?ポルカさん」



 私の不思議そうな声音にポルカさんがクスッと笑う


 そして、私の耳にこそこそと言ってきた



 何を言ってきたのかというと


 乙女トークを少々だった



 「好きな人、いないの~?」


 ポルカさんの含みのある言い方に私は思わず何もない廊下でつんのめりそうになる



 「え!?」



 どうしていきなり初対面の人とそんな話を!?


 私は混乱していた



 「いやいや、こんなかわいい子ならね~」


 ポルカさんは私の様子には目もくれず、話を続けていく



 「もしかしたら、と思ってね?」


 そう言うポルカさんは私に向かってウインクしてきた



 うう、ウインクは私のものなはずなのに・・・


 私はそのことに落ち込みながらもポルカさんの顔を見る


 「違った?」


 あれ~?というような表情で見てくるポルカさんに私は思った



 ポルカさんには私の好きな人のこと、言ってもいいのかな



 決心した私が口を開こうとしていると、ポルカさんのお目当ての人物が眠そうに目を擦りながら部屋から出てきたところだった



 好きな人の話はお預け、かな



 私が横にいるポルカさんにタイニーいましたよと言う前に、ポルカさんは

動いていた


 気がついたときには目の前に居たタイニーがポルカさんから抱え上げられているのが見えた

 


 「ああ、タイニーちゃん!!」


 会いたかったよ~というポルカさんの激しい抱きつきにタイニーは息を苦しそうにしていた



 「ポ、ポルカ姉・・・、苦じいよ」


 タイニーが首に巻きついた両手を解こうと必死に頑張っている


 そんな彼の行動に対し、お構いなしにポルカさんは抱きついていた




 さすがにやり過ぎなんじゃない?



 そう思った私は本来の用件をポルカさんに思い出させるようにした



 「ポルカさん、今日はタイニーに何か用があったんじゃないですか?」


 私が彼女に問いただすと、彼女はあそっかと言ってタイニーから両手を離していた


 「そうそう、タイニーちゃんに用があったんだよね」


 そう言ってポルカさんは、今日来た用件をタイニーにペラペラと喋っていた。


   

 ポルカさんがタイニーに抱き着いていますが、タイニーはそれを避けることができません。避けようと思う前に、タイニーは抱えられているからです。タイニーはこれからも彼女による災難がしばらく続くと思います。へばらないように応援してあげてくださいね。


 今日はこれで、おやすみなさいです。

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